ヤブキリ(№614)

 春の花壇は、色とりどりの花で埋められます。その中のシャスターデージーの白い花にたくさんのバッタ目の幼虫が来ているのに出会いました。この幼虫はバッタ目キリギリス科のヤブキリの幼虫です。よく似た幼虫にキリギリスの幼虫がありますがキリギリスは、背面の褐色筋が2本あることで区別できます。
 ヤブキリの成虫は、体長6~7cmで6~9月に樹上や茂みで他の昆虫などをとらえて食べる肉食性で、主として樹上生活を送るキリギリスの仲間です。高い木の上で生活することや 夜行性ということもあり、成虫にはなかなかお目にかかれません。成虫は夏から秋に、土中に卵を産みますが、この卵は冬を越した後、春4月に孵化し幼虫は花などの植物質を食べて成長します。特にシャスターデージーやタンポポなどが好みのようです。6回脱皮を行いますが3令頃まではもっぱら植物を食べ、徐々に雑食から肉食に変わっていきます。同時に生活場所も樹上や茂みの中へ移り、人目に付きにくくなります。成虫はキリギリスに似ますが、翅の模様が異なること、体色は緑色型と褐色型があり、翅の長さは腹とほぼ同じ、メスの産卵管は反り返らずまっすぐに伸びるなどの違いがあります。
 本州~九州に分布しますが、地域によっては別種とも考えられており、分子系統解析が進められています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヤブキリ幼虫
▲ヤブキリ幼虫
▲ヤブキリ幼虫

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