フタバアオイ(№621)


 京都の葵祭でカツラの葉とともに装飾に使われるのはフタバアオイです。北海道から九州までの半日蔭林内に自生するウマノスズクサ科カンアオイ属の落葉性多年草です。草丈10~20㎝で1本の茎の先に2枚の葉をつけることからフタバアオイと呼ばれます。また、葵祭に使われることからカモアオイとも呼ばれます。
 カンアオイの仲間に分類されますが、冬季に落葉すること、花は地際ではなく地上数cmの高さで咲くこと、葉が2葉であること、地下茎を伸ばして増えるため大群落を作ることなど他のカンアオイの仲間とはかなり異なると言えるでしょう。花は3~5月に葉柄の付け根から花柄を伸ばしその先にお椀を伏せたような形で1花が下向きにぶら下がります。花には花弁はなく、写真の紫色の部分はガク片で、3枚のがく片が中ほどから外側へ反り返り、ガク筒に接してお椀のような形となっています。花には合着した6本の雌しべとそれに接して12本の雄しべが見られます。蜜も出さず、匂いもないため昆虫による受粉よりも自家受粉を選んでいるのかもしれません。種子にはエライオソームがあり、アリが種子分散を助けるようです。
(*画像をクリックすると拡大されます)

▲群生するフタバアオイ(花は葉の下に隠れ見えない)
▲フタバアオイの葉柄(茎から2枚でる)
▲花(2枚の葉の付け根から1本の花柄が出て下向きに咲く)
▲花(上に向けてみた)

 

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