ノシラン(№610)

 秋から冬にかけ、暖地の海岸沿林地を歩くと、コバルトブルーの実をつけ、長さ30~80cm、幅が5~15mmの細長い葉を叢生した下草を見ることがあります。
 これは、キジカクシ科ジャノヒゲ属のノシランです。常緑性で7~9月に直径1~2㎝の白色、漏斗型花冠を持った花を多数房状に着けます。この花の花茎は傾斜し、のちに種皮が早くに脱落しむき出しになった種子を付けます。リュウノヒゲ(タマリュウ)(№317)を大型にしたような植物です。常緑で、種子がコバルトブルーと美しいため、和風庭園の下草として利用されることもあります。ノシランの地下茎は匍匐茎とならず下に向かって伸びるため横に広がらずに大株となります。学名をOphio(蛇)pogon(ひげ) jaburan(ヤブラン)と言い、日本語を直訳した名前になっています。
 これに非常によく似た植物にヤブラン(№101)があります。ヤブランはキジカクシ科ヤブラン属で花の色は桃色~紫で花茎は直立します。また、実(種子)は黒紫色で、斑入りの園芸種フイリヤブランは街路や公園などでよく見かけます。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲開花中のノシラン
▲ノシランの花
▲ノシランの種子
▲ヤブランの種子

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