ハサミムシ(№609)

 春の草花の準備のために植木鉢を動かすと、その下にハサミムシが潜んでいました。ハサミムシ目オオハサミムシ科の昆虫です。ハマベハサミムシともいわれ、ハサミムシの仲間で翅のない種類です。尾端に動かすことのできる1対のハサミ(尾鋏)を持っています。このハサミはゴキブリなどが持つ尾毛が発達したもので、尾毛を持つ昆虫は比較的原始的な部類に入ると言われています。
 ハサミムシの特徴的な尾鋏は外敵から身を守るための武器であり、闘争や、捕食の際にも使われます。オスの尾鋏は左右非対称で一方は極端に曲がっていますが、メスでは左右対称で比較的すんなりしています。この仲間は国内には20~30種が生存し、翅のある種が多く、その後翅は全開時の1/15ぐらいの大きさに畳込まれ前翅の下に格納されています。
 早春に産卵し、産卵したメスは約40日間にわたる卵期間中、餌を摂らずに
卵の世話をし、孵化した幼虫は1,2令期の間、このメス親を食べて育ち3令期以降独立分散します。蛹の期間の無い不完全変態で雑食性ですが肉食が多く、夜行性で夜間に小昆虫などをとらえて食べています。人間に危害を加えることはなく、害虫を捕食する益虫とも見られますが、不快害虫扱いされることもあります。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲メス成虫
▲メス成虫

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