ヘリグロテントウノミハムシ(№150)

 庭木のヒイラギが、毎年春になると虫に食われ茶色く見苦しくなります。葉の裏には頭が黒く体が黄色の4,5mmのウジのような虫がいます。葉の裏をよく見ると、体長3,4mmで黒い体に赤い点を二つ付けたテントウムシのような昆虫も見られます。このテントウムシのような昆虫がヘリグロテントウノミハムシとよばれるハムシの成虫で、ヒイラギの大害虫です。成虫の後脚は太く、ノミのようにピョンと跳んで逃げます。頭の黒いウジムシは幼虫で、最初は葉の中に潜り込んでいますが大きくなると葉の外に出て食害し、やがて土の中で蛹になります。
 モクセイ科の植物(ヒイラギ、ネズミモチ、キンモクセイ、ギンモクセイ等)を食害します。
▲ヒイラギの被害
▲成虫
▲葉に潜って食害中の若い幼虫
▲葉の外から食害する老熟幼虫

ヤマブキ(№149)

 兼明(かねあきら)親王はヤマブキの花を「七重八重花は咲けども実の(蓑)ひとつだに無きぞ悲しき」(後拾遺和歌集)と詠みました。このモデルは八重咲きのヤマブキで確かに花は咲いても実はなりません。ところが、山には一重のヤマブキが咲いており、こちらは実をつけます。
 この差は何でしょうか。ヤマブキとヤエヤマブキの花を縦に切ってみました。ヤマブキには5枚の花弁と多数の雄しべ、5本の雌しべが見えますが、ヤエヤマブキには多数の花弁は見えますが雄しべは殆ど無く、雌しべもはっきりしません。ヤエヤマブキはヤマブキの園芸種で、雄しべや雌しべが花弁に変わって八重咲きとなったもので、そのため種子を作りません。また園芸種で白の花弁5枚のシロバナヤマブキ(ヤマブキの変種)
もあります。
 白花で花弁4枚のシロヤマブキと呼ばれるのはヤマブキとは別属別種です。
▲ヤマブキの花
▲ヤマブキの花の断面
▲ヤエヤマブキの花
▲ヤエヤマブキの花の断面図

コウガイビル(№148)

 育苗園の石を動かすと、下からミミズより長く平たい、一見ヒルのような生き物が見つかりました。
 これはコウガイビルと呼ばれる扁形動物、コウガイビル科の動物で、ヒル(環形動物)とは全く別の仲間です。写真のコウガイビルは,外来種のようです。カタツムリ、ナメクジ、ミミズなどを体の中央にある口から消化液で溶かし、吸い取ります。肛門はありません。大きさは、1mになるものもいるようです。体がちぎれても、ふたたび再生するという生命力の持ち主です。コウガイというのは、女性の髪飾りのコウガイ(笄、櫛)の意味で、コウガイビルの頭部の形がいかり型をしているために付けられた名前です。ナメクジを食べるときは益虫、ミミズを食べるときは害虫ですかね。
◀コウガイビル

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