チャコウラナメクジ(№462)

 植木鉢の裏を恰好の住処としている生き物。その代表はナメクジ類でしょう。直射日光は当たらない、天敵にも見つからない、定期的に水も撒かれいつも高湿度、鉢の上には柔らかくておいしそうな植物が植えられているなど植木鉢の裏はナメクジ類にとって衣食住の揃った安住の地であります。
 ところで、ナメクジを愛でる人は少数派に違いないと思われます。しかし、エスカルゴとなると高級料理として、羨望の的になることもありますね。ナメクジもエスカルゴも軟体動物門ー腹足綱ー有肺亜綱ー柄眼目に属する兄弟です。水中生活をする貝類、イカ、ウミウシなどとも親せきで、ナメクジは肺呼吸する点が異なります。最近、関西でよく見られるのはチャコウラナメクジで体長5~7cm、茶褐色の体の背面中央付近に、灰褐色の2本の筋を付けた甲羅が見られます。もともとは欧州原産の外来種で、米軍とともに日本に侵入したと言われています。現在関西地方にはチャコウラナメクジ、ヤマナメクジ、フタスジナメクジ、コウラナメクジなどがいますがすべて植物食の動物です(沖縄にはイボイボナメクジと呼ばれる肉食のナメクジもいます)。
 ナメクジ類はムチンと呼ばれる粘液を出しますが、これは歩行時の潤滑油、保湿、ぶら下がるために使用などの役目があります。乾くとテカテカと光りナメクジが歩いた跡として残ります。また、雌雄同体で、同じ個体にメス、オスの生殖器官を有し2匹で交尾して産卵します。産卵は冬季に見られ、直径2~3mmの白色の卵を数個~数十個固めて産みます。天敵はコウガイビル、モグラ、カラス、カエル、イモリ、トカゲ、オサムシなどがあげられます。口には多数の歯が生えた舌があり、これを使って、植物をこそげ取るように食べます。花や野菜の害虫であるばかりか南方では広東住血線虫を媒介することもあるそうです。

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◀チャコウラナメクジ

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