モクレン(№142)

 春の声を聞くと、まず、もくれんの花を思い浮かべます。樹高もそこそこ(4m程度)で、葉が出る前に花が咲くためよく目立つ樹木です。花弁の内側は白く、外が紫色でなかなか派手な色彩をしています。花弁の色からシ(紫)モクレンともいわれます。花弁が内外ともに白いのはハクモクレンといわれ、こちらは樹高10mぐらいになる高木です。
 モクレンの仲間(コブシ、タムシバなど)の蕾は、気温の上昇とともにグングン大きくなりますが、きれいな紡錘形ではなく蕾の先端が一定の方角を向いています。これは、蕾の南側に日がよく当たるため南側の成長が北側と比べて早くなり、その結果蕾の先端が北を指すようになるためです。
道に迷ったときの磁石に使えるかも。
◀モクレンの花

オオカマキリ(№143)

 植栽中のオタフクナンテンの枝に丸い最中(モナカ)のようなものがくっついていました。これはオオカマキリの卵が中に入った卵鞘と呼ばれるものです。
 オオカマキリのメスは、秋に、粘液を泡立てその中に200~300の卵を産みます。この卵鞘は乾燥すると、そのまま保温効果の高い部屋となり、卵を冬の寒さから守ります。卵鞘の形や大きさはカマキリの種類によって特徴があります。
 春になると、この卵鞘から薄い膜に包まれた小さなカマキリが出てきます。これは前幼虫といい、脱皮して薄い皮を脱ぎ初めて小さなカマキリの形をした1令幼虫となります。
◀オオカマキリの卵鞘

キョウチクトウ果実(№144)

 キョウチクトウの花は、おしべの花糸(花粉の入った葯の柄)がくっつき、筒のようになった中にめしべがあるため、昆虫による花粉の媒介が難しく、めったに果実を付けないことを以前(№83)に掲載しました。右上の写真が花弁を取り除き、花糸の筒を半分に切ったときのものです。
 今回は、この果実を見つけましたので見ていただきましょう。一見受粉困難な構造の花ですが、このような花でも花粉を運ぶ昆虫がいるのでしょう。果実は、細長い豆の鞘のような形をしています。やがてこの鞘は二つにはじけ、中から綿毛を付けた種子が飛び出してきます。数百の種子が飛び出しますが、この種子は発芽するのでしょうか。
▲キョウチクトウの果実
▲キョウチクトウの雄しべ、雌しべ
▲種子散布

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