チャミノガ(№313)

 本シリーズ№16でオオミノガを紹介しましたが、オオミノガヤドリバエ(海外から侵入してきた天敵)の影響でオオミノガを見かけることは大変少なくなりました。しかし、チャミノガは時に大発生しています。
 チャミノガも蓑を作りますがオオミノガでは切り取った葉を巻いた紡錘形の蓑を作りますが、チャミノガは蓑の外側に細い枝をつけた、筒型の蓑を作るため蓑の形で2種を区別することができます。また、オオミノガは枝にぶら下がるように付きますが、チャミノガは枝に直角に近い角度で固くくっついていることが多く、この点でも区別は容易です。
 花壇に植え込んだハマヒサカキが丸坊主になり、多数のチャミノガの蓑が見つかりました。中には蓑から半分ぐらいせり出した蛹殻もみられました。これは雄の成虫(蛾)が羽化した後の蓑です。また、ちょうど孵化してくる幼虫もみられました。もちろんまだ蓑をかぶっていない裸ん坊です。すぐに植物片で蓑を作り、春を待って活動を開始し植物を加害するのでしょう。雌成虫と産卵状況を見たくなり蓑を縦に切り開きました。写真のように、蛹殻の上部2/3ぐらいに卵がつまりその下に産卵を終えて萎縮した雌成虫がみられました。雌は一生蓑の中で過ごし、蓑の中で蛹になり羽化、交尾をして産卵し、その一生を閉じます。蓑の下端には綿毛のような毛が詰められ、内部を保護しているようです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
ちゃみのが1
ちゃみのが2
▲ハマヒサカキに発生したチャミノガ
▲チャミノガ雄の羽化殻
ちゃみのが3
ちゃみのが4
▲幼虫の孵化
▲孵化してすぐに蓑を作った幼虫
ちゃみのが5
▲雌成虫と卵(左は蓑から取り出したもの)


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