ヨモギエボシタマバエ(№620)

 5月、ヨモギが大きく育ちはじめました。そのような中、葉にちいさな烏帽子のような形をした紅色のこぶが目立ち始めました。ヨモギハエボシフシ(ヨモギエボシタマバエによる虫えい)です。ヨモギエボシタマバエがヨモギに産卵し、幼虫がヨモギに働きかけコブを作らせます。コブの大きさは、直径1,6~3,5mm、高さ1,6~8,0mmで、コブは葉の表面側に大きく育ち、裏は僅かに膨らむ程度です。また、葉以外にも、茎などにこぶができることもあります。コブを割ってみると、中に1匹の幼虫が見られます。幼虫はこのこぶの中で育ちやがて蛹になり、コブの先端から身を乗り出して羽化します。蛹の脱皮がらはコブの先端に残ります。成虫は体長2,0mm程度の小型のタマバエでメスは赤褐色、オスは黒褐色をしています。この後11月頃まで数世代を繰り返すようですが、詳しい生態などはわかっていません。
 なお、虫えいの呼び方は
「植物名+形成部位+形状+フシ」でヨモギハエボシフシとなり、原因昆虫(ヨモギエボシタマバエ)とは別の呼び方をされます。
 (*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヨモギの葉に見られるヨモギハエボシフシ
▲虫エイの裏側
▲茎に作られた虫エイ
▲虫エイの中の蛹
▲虫エイに残る羽化がら
▲ヨモギエボシタマバエ
▲ヨモギエボシタマバエ(罫線は1mm)

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