ヒメスギカミキリ(№607)

 針葉樹を春から初夏に伐採し、放置すると決まって産卵にやってくるのがこのヒメスギカミキリです。成虫は体長5~14mmの中型カミキリムシで、前胸背は黒色、メスの上翅は赤褐色、オスの上翅は赤褐~青藍色まで変化に富みます。オスの触角は上翅の端より長いのが特徴です。国内では全国に分布しています。
 初夏に伐採された針葉樹の樹皮下に産卵するため、伐採後に樹皮をはがすと被害を免れることができます。そのまま放置すると、ヒメスギカミキリがやってきて産卵し、蛆虫状の幼虫が樹皮下を穿孔食害します。坑道には木屑が充満し、夏には樹皮下から材の内部へ侵入し、蛹室を作って蛹化します。9~10月には蛹室の中で羽化し、成虫になってそのまま冬を越し、翌年4~7月頃に外部へ出てきます。
 森林害虫とされますが、伐採時期を夏以降にすればほとんど被害は見られません。しかし、春から初夏に伐採された木材を建築資材として利用すると、建築後に柱からヒメスギカミキリが出現することがあります。
(*画像をクリックすると、拡大されます)
▲表皮をはいでみる
▲木屑を取り除いた(坑道)食痕
▲メス成虫
▲オス成虫

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