チビナガヒラタムシ(№678)

 今回は謎に包まれたチビナガヒラタムシについて紹介しましょう。
 チビナガヒラタムシはカブトムシ目チビナガヒラタムシ科の甲虫の1種とされています。この甲虫の謎は①成虫はめったに見られない。②成虫のオスはさらに少ない。③幼虫が幼虫を生んで増える。④環境省外来生物リストに掲載されているが在来種かもしれないとの説もある。⑤翅のある成虫はめったに出てこない、ふ化直後の幼虫は脚を使って移動できるがその後は腐朽木の中で暮らし殆ど移動しないにもかかわらず比較的広範囲に生息している。⑥菌類と共生するらしく、この菌が成虫化を阻害しているらしい。高温にすると菌が死滅(不活化?)し成虫になりやすいらしい。など。
 成虫は体長1~2㎜程度のふにゃふにゃの甲虫らしく、まだお目にかかったことがありません。しかし、幼虫は比較的あちらこちらで見つけられており、御堂筋のイチョウの腐朽木、ヌマスギの腐ってブスブスになった枝や松の杭などからみつかっています。写真の幼虫はヌマスギの腐朽木で見つけたもので、体長1~3mm程度のカミキリムシの幼虫のような形をしていました。
 非常に小さな昆虫で、人間生活とあまり関係がないように見えるため(実際には森の枯れ枝掃除で役に立っている?)、ほとんど実態がつかめていないのが実情で身近なところで見つかる可能性の高い昆虫です。
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▲幼虫の生息している腐朽木(ラクウショウ)
▲チビナガヒラタムシ幼虫
▲チビナガヒラタムシ幼虫
▲チビナガヒラタムシ幼虫(大きさ1~4mm)

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イワガネゼンマイ(№677)

 冬の山道には花はほとんど見られず、常緑のシダ類が迎えてくれます。常緑シダの仲間でオオバノイノモトソウ(№657)はすでに紹介しましたが、オオバノイノモトソウを大型化したようなシダにイワガネゼンマイがあります。草丈70~130cmにもなるこのシダは、観葉植物として見られるハコネシダやクジャクシダと同じ仲間のホウライシダ科に属します。
 シダの仲間は主として葉を観察して分類されますが、葉の中でもソーラス(胞子嚢群)
と呼ばれる葉に付属する生殖器官の形状が分類上重要なポイントになります。イノモトソウでは葉裏の葉縁に線状に伸びますが、イワガネゼンマイでは葉裏の葉脈上に付きます。そっくりのシダにイワガネソウがありますが、イワガネソウは葉脈が網目状になり、ソーラスも網目状になり、ほかに葉につやがあることなどでも区別されます。
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▲イワガネゼンマイ
▲イワガネゼンマイのソーラス

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ツマグロオオヨコバイ(№676)

 厳冬期でも成虫で越冬する昆虫は、樹木の洞や落ち葉の下などを探すと成虫が見つかることがあります。下の写真も成虫で越冬する昆虫の一つであるツマグロオオヨコバイです。
 カメムシ目ヨコバイ科の昆虫で体長13mmで背面黄緑色、翅の後端には青黒色帯があり、ツマグロの名前はここから来ています。前胸背には円形の黒斑が3個、小循板中央にも円形黒斑が1個あり、比較的目立つ存在です。本州、四国、九州の草地などで普通にみられます。いろいろな作物の茎葉に口吻を差し込み吸汁する害虫でもありますが、稲の害虫であるツマグロヨコバイのように大発生することもなく、ウイルス病の伝搬もないようで害虫とは見なされていません。夏に目立ち、近づくと横に這って葉の裏などに隠れ、バナナ虫とも呼ばれ子供達には親しまれています。セミなどと同じ仲間で不完全変態の昆虫です。
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▲ツマグロオオヨコバイ(越冬前の成虫)
▲ツマグロオオヨコバイ

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