カミガモシダ(№651)

 京都上賀茂の名前を冠したシダがあります。その名もカミガモシダ。チャセンシダ科チャセンシダ属の常緑シダです。日本固有種で、新潟県、岐阜県以西の本州、四国、九州に見られます。高さ10~20cm程度の小型のシダで、半日蔭の斜面や岩上に見られます。根茎から幅3㎝、長さ20㎝程度の単羽状葉を叢生し、羽片の基部には耳状突起があるため、各羽片は三角状長楕円形に見えます。葉の中軸先端が地表に接するとその部分に芽を付け無性生殖をします。
 京都府では準絶滅危惧種に指定されており希少種と考えていましたが、兵庫県北中部では場所によってかなり広くみられるそうです。小型で寒さにも強いようで、テラリウムの素材などに利用されることもあります。
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▲カミガモシダ
▲カミガモシダ

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ヤマルリソウ(№650)

 4月になると里山には多数の野の花が咲き、自然の花園が見られるようになります。その中でも直径1㎝程度の薄桃色や薄青色の小さな花をたくさん咲かせるヤマルリソウに出会うと心が躍り、春を感じます。
 ヤマルリソウはムラサキ科ルリソウ属の多年草で、日本固有種です。別名ヤガラとかヤマウグイスと呼ばれます。福島県以西の本州、四国、九州の里山でやや湿った半日蔭地に多く、斜面地に多いように思えます。根生葉はロゼット葉で倒披針形、7~20cmの花茎を伸ばし
その先に花を付けますが、茎葉は互生し、上に行くほど小さくなります。花は5弁花で薄桃色から薄青色に変化します。花の中央には臍(へそ)のような円筒形の小突起があり雌しべや雄しべはこの中にしまわれているようです。ヤマルリソウの属名Omphalodesは臍の意味で、この小突起を指すものと思われます。また、葉、茎の全体に長短の毛が密生しています。
 5~6月には果実ができますが下向きに4分果を付け、それぞれが中央のへこんだ小さな扁円形をしています。
 稀に花が白いものが見られます。これはシロバナヤマルリソウと呼ばれ別品種とされています。
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▲ヤマルリソウ
▲ヤマルリソウの株(根生葉が見られる)
▲ヤマルリソウの花(薄ピンク、薄青)
▲ヤマルリソウの花(中央に臍状の部分が見える)
▲シロバナヤマルリソウ(品種)

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ヒュウガミズキ(№649)

 3~4月、まだうすら寒い候、葉が出る前に花を咲かせる植物達があります。マンサク、レンギョウ、ロウバイ、トサミズキなどです。葉が出る前に花を咲かせることは、花を目立たせ、活動している昆虫が少ない中で昆虫を多く集めるためには有効と考えられます。今回はそのような花木の一つとしてヒュウガミズキを取り上げました。
 近畿地方の日本海側にはヒュウガミズキが自生しています。ヒュウガミズキはマンサク科、トサミズキ属の落葉低木で樹高2~3mになります。イヨミズキ、コバノトサミズキと呼ばれることもあります。ヒュウガの名前が付いていますがヒュウガ(宮崎県)には自生していません。石川県~兵庫県の日本海側に局限された自生地があるそうですが私は未だ自生種を見たことがありません。
 よく似た花木にトサミズキがあります。ヒュウガミズキは、花が2~3個穂状にかたまっていますがトサミズキの花は7~8個の穂状、ヒュウガミズキの葯は黄色ですがトサミズキは帯紅色の点で区別できます。トサミズキは樹高3~4mになり、関西には自生地はありません。いずれも園芸花木として庭園や公園に使われることの多い花木のひとつです。
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▲ヒュウガミズキ(穂状に2,3花)
▲ヒュウガミズキの花(雄しべの葯は黄色)
▲トサミズキ(穂状に7,8花)
▲トサミズキの花(雄しべの葯は褐色)

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