ツバキキンカクチャワンタケ(№183)

 椿の花が落ちるころ、椿の株もとの落ち葉をそっと掻き分けると直径5mm~1cm程度で茶褐色の茶碗のような形をしたキノコが見つかります。これはキノコのスプリングエフェメラルと呼ばれるツバキキンカクチャワンタケです。
 椿の花が落ちる頃、写真のようなキノコが見られ、胞子を出します。この胞子が発芽し、椿の花びらを分解した後、秋に菌核と呼ばれる黒い小さな塊を作り、翌春子実体(キノコ)を作ります。
 椿の花弁だけを分解するキノコで、椿の花殻がそのまま残っているようなところでその気になって探せば見つかりますよ。
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▲ツバキキンカクチャワンタケ
▲ツバキキンカクチャワンタケ

クマバチ(№182)

 フジの花が咲くころ、黒くて体長2cmもある大きな蜂が飛び回ります。時々空中でホバリングしたり、大きな羽音を立ててすぐ近くまで寄ってくるなど、今にも襲い掛かってきそうな恐怖心を抱かせます。
 この蜂はクマバチ(属名で他のクマバチを指すこともあるため最近はキムネクマバチと呼び区別しています。)といいますが、いたっておとなしい蜂でむやみに手を出さなければ刺されることもありません。特にこの時期、飛び回っているのはオスですから刺しません。蜂で刺すのはメスだけです。オスは縄張りの巡回をし、自分のテリトリーに入ってきたものには、仲間はもちろん、蝶や鳥までも追いかけていきます。
 メス1匹で枯れ木に穴を掘り、営巣します。秋に羽化した成虫は、親とともに冬を越すようです。
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▲クマバチ
▲クマバチ

イシクラゲ(№181)

 降雨の後、地面に得体の知れないキクラゲのようなブヨブヨしたものがあちこちに見られます。これはイシクラゲといって藍藻類(シアノバクテリア、光合成する細菌)の1種です。
 藍藻類の大部分は、水中生活をしており単細胞のものも多いようで、地球に酸素をもたらした生物ともいわれています。しかし、イシクラゲは陸棲で、いくつもの細菌が数珠のようにつながった構造をしています。休眠胞子を作らず、乾燥体で数十年も休眠できます。
 イシクラゲはきれいに洗って、湯通しし酢の物として食用に出来るそうです。また、紫外線吸収物質を含むようですので、UVカット化粧品に使えないでしょうか。放射性物質の吸収力も強いようですので、除染対策にも使えないでしょうか。誰も研究対象にしていないようですが、ひょっとしてすばらしい商品の開発が出来るかも。
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▲イシクラゲ
▲イシクラゲ