アルゼンチンアリ(№163)

 1993年、広島県廿日市市で輸入木材と一緒に進入したと考えられる外来のアリが見つかりました。
 体長2mm程度の小さなアリで、体の色は赤褐色です。動きがすばやく、帯状の行列を作り,せかせか動き回っています。雑食性、攻撃的で他のアリ、ハチ、小鳥の雛まで襲うようです。冬眠せず、冬でも暖かい日には活動し、簡単な巣を落ち葉や木材の下などに作ります。一つの巣に多数の女王アリがいるため、増殖スピードは速いのですが、結婚飛行をしないため、拡散は年に150m程度といわれています。このアリが侵入した所では、在来のアリはまったく姿を消してしまいます。また、アブラムシや、カイガラムシを保護するため農業害虫とも考えられます。
 この写真は、大阪市此花区で撮影しました。
aruzenntinnari111
aruzenntinnari21
▲アルゼンチンアリ
▲アルゼンチンアリ
aruzenntinnari31
▲落ち葉の下で育仔中のアルゼンチンアリ

オニバス(№164)

 スイレン科の1年草でオニバス属(1属1種)のれっきとした日本の在来種です。植物全体にとげがあるためオニの名が付けられたようです。
 葉は水面に浮き、直径30cm~267cm(4.5畳)の円形で通常1~2mです。葉の裏の葉脈は太く突き出ており、空気を貯め水面に浮きやすくなっています。池を覆いつくすことがあり、蕾は水中から自分の葉を突き破って空中へ出ることがあります。水中でも閉鎖花(開花しないで自家受粉してしまう花)が果実を作ります。種子は2,3日水上に浮いており、風で広がったあと沈みます。休眠性が強く結実から数年~数十年たたないと開花しない
ようで、今年発生したから次年度も見られるとは限りません。今年は堺市中区の池で見られました。
 環境省のレッドデーターブックで絶滅危惧Ⅱ
類に指定されています。
onibasu12
onibasu32
▲葉を突き破って出てきた蕾
▲白いボール状の果実
onibasu31
▲葉裏の太く飛び出した葉脈

オオセンチコガネ(№165)

 体長1、6~2、2cm程度の金紫に輝く非常にきれいな甲虫を見つけました。オオセンチコガネです。
 きれいな翅の色は金緑、金赤紫など地域によって変わりルリセンチコガネ(奈良県産)やミドリセンチコガネ(京都府産)などと呼ばれることもあります。
 このコガネムシは成幼虫ともに動物の糞や死体を食べる森の掃除屋さんです。成虫は糞の近くに穴を掘り、糞を中へ詰めて産卵します。孵化した幼虫は糞を食べて成長します。
 最近、里山には鹿が増え、その糞で育つコガネムシも増加しているようです。低空飛行で糞を探し回っている成虫によく出会うようになりました。
oosenntikogane3
◀オオセンチコガネ

ページトップへ