ハキリバチ類(№162)

 秋風が吹き始めるとあちらこちらにアレチヌスビトハギが咲き始めます。マメ科の植物ですがピンク色のなかなかきれいな花です。
 開花中の花には、おしべとめしべが花弁(舟弁+翼弁)の中に隠れていて見えない花(写真下左)と外から見える花(写真下右)があります。
 アレチヌスビトハギにはハキリバチの仲間がよく訪れ蜜を吸いますが、この蜂はおしべとめしべが見えない花(写真上右)を集中的に訪ねます。そして吸蜜した後の花はおしべとめしべが露出しておりこの花(爆裂花、写真下右)には、蜂はめったに来ません。蜂は先客が吸蜜して蜜がほとんどなくなった花を敬遠し、アレチヌスビトハギは蜜を与え、受粉が終わればもう蜂を呼ぶ意味がありません。舟弁(+翼弁)が水平になっているか、下垂しているかはその目印なのでしょう。
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▲アレチヌスビトハギ
▲ハキリバチ類の訪花
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▲雄しべ、雌しべが見えない花
▲雄しべ、雌しべが見える花

アメリカネナシカズラ(№161)

 宿根バーベナ花壇の一角が黄色っぽく見えました。近づいてみると花の上に、黄色い糸くずのようなものがまとわり付いています。
 北米原産の外来植物で、葉も根もなく、葉緑素を持たないため自分で光合成ができません。吸盤で他の植物にくっつき、他の植物から養分を吸収して生きているヒルガオ科の寄生植物です。花をつけ、種子で増えます。
 寄主植物を選ばないようで、畑などで繁茂すると害草として嫌われています。
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▲アメリカネナシカズラ
▲アメリカネナシカズラ
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▲アメリカネナシカズラの花

ウスバキトンボ(№160)

 写真のトンボは関西では初夏の頃から見かけるようになり、夏から秋になると徐々にその数を増します。体長5cm、翅の幅が広く、長時間飛び続けることができ昼間はめったに止まりません。
 このトンボはウスバキトンボといって水温4℃以下では生きていけず日本では冬を越せないトンボです。幼虫期間が短く、春に南方から渡ってきた成虫が、一月ぐらいで世代交代を繰り返しながら北へ移動していきます。秋には、日本中、いたるところで見られるようになりますが、寒くなると死に絶えます。しかし、最近伊良湖岬から南の海上へ飛び去るウスバキトンボが観察されており、渡りをするのかもしれないと考えられています。
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◀飛翔中のトンボはなかなか写真に収まってくれませんでした

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