カゲロウの仲間(№145)

 早春の夕方、川面にカゲロウが飛びます。幼虫は水中生活をしていますが亜成虫と呼ばれる形になって空中生活に移ります。蛹の時期がないため不完全変態といわれます。亜成虫は翅を持ち飛びますが、すぐに脱皮して成虫になります。亜成虫も、成虫もほとんど大きさや形、色は変わりませんが、昆虫の中でも翅ができてからもう一度脱皮するものはカゲロウ以外にいません。
 学名のephemeraはその日一日の意味で、短命であることをさしています。
 オスの前脚は極端に長く、交尾の際、下から雌をつかむのに使われます。また、複眼が上へ飛び出しており、ターバン眼と呼ばれるなど昆虫の中でもいろいろ変わった特徴を持っています。
 フライフィッシングの疑似餌モデルとなったり、種類が多いため川の水質指標に利用されたりします。
▲脱皮したカゲロウ
▲カゲロウの成虫(写真左とは別種)

帯化デージー(№146)

 白と赤のデージーがたくさん咲いています。その中にガマグチのような花が見られます。
 これは帯化(石化)といわれ、成長点が横に広がり帯のようになったもので、茎も平たく、花も平たい茎の先にたくさん着くため、写真のような形に変わります。原因ははっきりとはわかりませんが、虫や病気で成長点が傷ついた場合、肥料過多の場合、遺伝子変異などが考えられています。
 遺伝的に固定されたものもあり、生け花材料のセッカヤナギや多肉植物などがあります。
 ユリでは1本の茎に4,50個の花が付くことがありますがこれも同じ現象で、ユリは花が1個ずつ咲くので、多数の花が付いたように見えますが、デージーではもともと舌状花と筒状花が多数かたまって一つの花のように見えるため、帯化すると横に伸びて、がま口のような花に見えます。
◀帯化したデージーの花

ビロードツリアブ(№147)

  年に一度、春先だけに出てくるビロードツリアブです。体にビロードのような毛を生やし、空中で停止飛行(ホバリング)しながら、長く突き出た口(口吻)を花の奥に刺し込み、蜜を吸い回っています。空中で停止している状態が、糸で吊られているように見えるためこのような名前が付けられています。
  ハエなどと同じ仲間ですので翅は前翅のみで、後翅は小さな突起(平均棍)となっていますが、前翅の後部基部は拡大して、鱗弁と呼ばれる膜状に変化しています。
▲ムラサキケマンの花から吸蜜中
▲ヤマブキの花から吸蜜中
▲毛のふさふさしたビロードツリアブ
▲ビロードツリアブの鱗弁

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