アカエグリバ(№133)

 虫にかじられた枯葉が1枚枝に引っかかっています。が、よく見ると脚のようなものが見えます。これは、枯葉に擬態(似せている)している蛾の一種です。アカエグリバといいます。翅が虫食い状(えぐられた葉状)の赤っぽい蛾の意味です。
 幼虫はアオツヅラフジの葉を食害し、成虫で冬を越します。成虫の口吻(口)は短く先端は鋭くとがっています(拡大写真)。この口をりんごやみかんの果実に刺し込み果汁を吸うため害虫として嫌われています。
 頭を下にして枝に止まると、枯葉そっくりに見えますね。葉脈の模様もあり、ここまで真似する必要があるのかと思うほどです。手で触っても、私は枯葉といわんばかりに無視され、なかなか動こうとしません。
◀枯れ枝に止まったアカエグリバ成虫

イチョウ(№134)

 街路樹としてたくさん植えられているイチョウの葉もすっかり落ち、枝だけが目立つようになりました。この枝をよく見ると長い枝(長枝)に長さ数センチの短い枝(短枝)がついているのがわかります。果樹には、長枝と短枝をつける木が多いのですが、一般的に長枝は日陰で未熟な枝が多く、短枝は光がよく当たる場所で、組織が充実し花や実をつけやすいことが知られています。長枝は1年に数センチから数十センチも伸びますが、短枝は1mmも伸びませんが、拡大すると多数の葉がついた跡(葉痕)が見られます。
 イチョウは果実(中に種子が入っていて雌しべの痕跡が残る)でなく、種子を直接ぶら下げギンナンとよばれ食用にします。
▲イチョウの長枝と短枝
▲イチョウの短枝

ゴマダラカミキリ(№135)

 バラの木の根元に木屑が見られ(写真左)、バラが枯れました。切ってみると、中から体長4~5cmで頭の黒い虫が出てきました。これは、越冬中のゴマダラカミキリの幼虫です。茎に穴を開けて食害するためテッポウムシとも呼ばれます。
 成虫は2,5~3,5cmの黒くて、白い斑点をつけた立派なカミキリムシです。
 成虫も幼虫も樹木を食害しますが、幼虫は木の中を食い進むためその被害は甚大です。イチジクなどの果樹も食害するため、このカミキリムシ防除に、カミキリムシに寄生する糸状菌(カビによる病気)が農薬として登録されています。
▲バラの被害状況
▲茎の中の幼虫

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