スクミリンゴガイ(№123)

 最近、泉北地区の一部水稲に、見るからに派手なピンク色の卵塊が見られます。これはスクミリンゴガイの卵です。
 スクミリンゴガイは、1981年に食用として、台湾から長崎県と和歌山県に導入されました。しかし食用の需要がなく、放置されたものが逃げ出し広がったものです。水稲も食害しますが、あまり好まないようで、水との駆け引き次第で水田除草に利用できるそうです。
 この貝は水中に生息していて鰓呼吸ですが、肺様器官も持っており、空気呼吸も可能です。面白いことに、産卵だけは水上で行い、その卵は派手なピンク色で、草上やコンクリート壁の上で非常に目立ちます。通常は保護色などの方法で目立たないようにしている場合が多いのですが、スクミリンゴガイの卵はなぜ目立つのでしょうか。それは、この卵を食べると苦いそうで、そのことをアッピールするための警戒色になるようです。
▲スクミリンゴガイ
▲スクミリンゴガイの卵塊

アオギリ(№122)

 木の幹がいつまでも緑色で、桐に似た葉をもった高木がアオギリです。
夏の終わり、たくさんの「実」をぶら下げているのが目立ちます。さてここで、「実」と言いましたが、写真(右上)に見られる丸いものは種子です。以前、雌しべの柱頭の痕(ヘソ)が残らないのは種子と申しましたが、アオギリの「実」にもヘソは有りませんから、これは種子です。種子がくっついている、舟形の葉のようなもの、これが雌しべを構成していた心皮と呼ばれるもので、一番先端には柱頭の残骸が残っています。
 心皮と種子は、葉が落葉してからも枝にくっついており、冬の強い風で飛ばされますが、その際心皮は羽のような役をするのでしょう。
 この種子は、熟すとシワシワで硬そうに見えますが、炒って食べると実においしいものです。試してみてください。
心皮を使った木の実の工作で「のん兵衛河童」を作ってみました。河童の甲羅をご覧ください。
▲アオギリの実
▲アオギリの種子
▲木の実工作(飲兵衛河童)

オオスカシバ(№121)

 キバナコスモスの花が咲いています。クマバチ、イチモンジセセり、ホシホウジャクなどが蜜を求めてやってきます。その中に非常にすばしっこくて大きなハチのような昆虫が時々見られます。
 翅は透明、腹部はきれいな鶯色に黒と赤の横筋がはいり、昼間、空中でホバリング(停止飛行)しながら蜜を吸っているところは、一見ハチのように見えます。ハチドリのようと言う人もいます。
 この昆虫は、チョウ目スズメガ科の仲間で、オオスカシバと言います。庭木のクチナシの大害虫として有名です。時にはクチナシが丸坊主にされることがあります。冬は蛹で越冬し5月頃から成虫が羽化して来ますが、羽化直後の翅は白っぽい鱗粉に覆われています。しかし、翅が固まるとともに、翅をブルブル震わせて鱗粉を全てふるい落とし、透明な翅になってハチになりすまします。
(*写真をクリックすると拡大されます)
◀吸蜜中のオオスカシバ

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