ニホンミツバチ(№19)

 堺市南区T寺を訪ねたとき軒下にうずたかく積もったニホンミツバチの死骸を見つけました。何層にも盛り上がり、その高さは約5cmにもなっていました。弱々しく動いているミツバチも見られます。その中にスズメバチの死体が数匹混ざっています。近寄ると、多数のスズメバチが飛び回り、頭上からミツバチがぱらぱら落ちてきます。
 屋根裏のニホンミツバチの巣をスズメバチが襲い、蜜と幼虫を略奪している現場に遭遇したのです。セイヨウミツバチ(通常養蜂に使われる)はスズメバチに対抗する術を持ちませんがニホンミツバチ(在来の野生種)はスズメバチに対して数十頭がしがみつき、ボール状になってボール内の温度を上げ、中心にいるスズメバチを高温でやっつけます。そのため、スズメバチの死体がミツバチに混ざって見られるのでしょう。しかし、数日後再び訪ねた時には生存しているミツバチは全く見られず、スズメバチだけが我が物顔で飛び回っていました。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲写真左:軒下に積もったハチの死体
▲写真上:ニホンミツバチの死体の山(スズメバチも混ざる)

ヤブツルアズキ(№20)

 ハウスの中にマメ科雑草が黄色い花を咲かせました。ヤブツルアズキの花です。マメ科の花弁は通常、旗弁、翼弁、舟弁から構成され、左右対称です。しかしこの花は、舟弁がひどくねじれていて左右非対称です。外からは雌しべや雄しべも見えません。最初は、ウィルスにでもやられた奇形花かなと思ったのですが全ての花がひん曲がっているのです。どのようにして受粉するのでしょうか。
 花にはウラナミシジミ、ルリシジミ、ナガメ、スリップスなどが訪ねて来ています。よく見ると舟弁の先端には小さな穴が見られます。スリップスはこの穴から出入りしています。もっと驚いたことには、花を触っているとこの穴から雌しべと雄しべが飛び出すことがあります。
 舟弁がねじれていても、先の穴から出入りする小昆虫や、ちょうどいい加減の力が加わることで雌しべ、雄しべが外へ飛び出す仕組みで受粉し、結実しているようです。 
▲ヤブツルアズキの花
▲ヤブツルアズキの花

オオカマキリ(№21)

 春に孵化したカマキリも秋には立派な成虫になっています。カマキリの顔はぐるぐる器用に回る逆三角形をしています。この顔、動物ではキツネに似ていますね。肉食性の生き物は、他の生き物を捕らえやすいように口がピンセットのようにとがった形になる傾向があります。これに比べ、草食性のバッタや馬は顔の形が下駄のようになっていますね。上下の歯で草を左右にすり合わせてすりつぶすのに便利なように進化したのでしょうね。
 ところで、カマキリの目には人間の瞳孔のような黒点がありますね。これは人間の瞳孔とは違い、偽瞳孔と呼ばれます。決してあなたを見つめているわけではありません。また、夜には目の色が黒く変わります。これは、光を全て吸収するためで、夜間でも獲物が見えるのでしょう。
 オオカマキリは害虫を食べるから益虫だといわれます。別の人は、益虫を食べるから害虫だといいます。人間て勝手ですねー。
◀オオカマキリ

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