アレチマツヨイグサ(№18)

 ちょっと草引きの手を抜くと帰化植物のアレチマツヨイグサが花を咲かせました。この花は、夕方に開き、翌朝には閉じてしまいます。この花の受粉は昆虫によりますが、その昆虫も夕方から活動する昆虫(ガの仲間のホウジャクなど)に限られます。この花のように、訪花昆虫を限定する事は受粉率の向上につながります。しかし、夜間に訪花する昆虫は昼間と比べて少ないため、アレチマツヨイグサはさらに受粉効率を上げる手段として、花粉を細い鎖でつないだネックレス状態にして、訪ねてきた昆虫に、一度に多数の花粉を運んでもらうような工夫をしているように思えます。
 ツツジもこのような工夫をしていますので、春になったら観察してみましょう。
◀アレチマツヨイグサの花粉

オンブバッタ(№17)

 花壇の花苗に大きな食痕(食べ跡)が目立つようになりました。コリウス、ウラムラサキなど広葉の花苗の被害が多く、緑色の中型のバッタが小型のバッタを背負って葉の上にいるのをよく見かけます。これがオンブバッタです。このバッタは翅をもっていますが飛べず跳ねて移動します。また褐色の個体もいます。
 背負った状態の、下の中型のはメスで、上の小型のはオスです。この2匹は背負った状態で交尾しますが、背負っているときはいつも交尾をしているわけではありません。上のオスは、自分の子孫を残すため、下のメスが他のオスと交尾するのを妨害するため背中に陣取っているようです。この間、オスはエサもほとんど摂らないようです。仲のいい親子のように見えますが、実は自分の子孫を残すための涙ぐましい防御作戦の最中なのですね。
◀オンブバッタのメスとオス

オオミノガ(№.16)

 ミノムシはオオミノガやチャミノガの幼虫が、木の枝や葉をつづって巣(わらで作ったミノのような物)を作り、その中に潜んでいるものを指します。以前は夏の終わりから秋になると、柿、お茶、桜などに多数のミノムシがぶら下がっている光景をよく見ました。しかし最近はその姿を見かけることは非常に少なくなってしまいました。特にオオミノガは探してもなかなか見つかりません。これは、最近オオミノガヤドリバエという天敵昆虫(害虫に寄生し、その害虫を殺してしまう昆虫)が大繁殖しオオミノガをを駆逐しているからです。オオミノガは木の葉を食べる害虫のため絶滅危惧種となったとしても、誰も気にしてくれないでしょう。春になると、オスは成虫(ガ)となりミノから飛び出しますが、メスはミノの中でウジムシ状態のまま成虫となり、飛んできたオスと交尾し、そのまま卵を生んで死んでしまいます。ミノムシの夫婦はお互いに顔さえ合わすこともありません。
オオミノガ
◀オオミノガ幼虫

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