オオバン(№356)

 冬になると溜池が水鳥たちで大変にぎやかになります。この水鳥たちの中で最近特に目立つ鳥にオオバンがいます。全長39cm程度の水鳥で全身真っ黒ですが額から嘴が白いのが特徴です。ツル目クイナ(水鶏)科オオバン属の仲間で、クイナの中でもずんぐりとしていて大きめの仲間に入ります。黒い水鳥としてキンクロハジロがいますがこちらは羽が白いため、容易に区別できます。
 オオバンは、30年ほど前までは稀少な鳥とされていましたが、最近は関西以西特に琵琶湖を中心に、爆発的に増えています。滋賀県野鳥の会の調査では10年前は2万羽だったのが昨年は8.5万羽と4倍以上に繁殖し全水鳥の1/3がオオバンで占められているとも言われています。従来、中国で繁殖していたものが琵琶湖で越冬するようになったとも言われています。一方埼玉では絶滅危惧ⅠA、栃木、千葉では絶滅危惧Ⅱ類に入れられており地域差が大きいようです。
 オオバンは他の水鳥と異なり水かき(指と指の間の膜状のもの)の代わりに指にヒダ(指の両側に翼)を持っています。弁足と呼ばれますが、水中、水上での動きは他の水鳥と比べ劣るようにも見えます。
 オオバンは、主として水生植物を主食としていますが、琵琶湖では水中の水草が不足なのか集団で陸に上がり草なども食べています。爆発的な増殖で水生植物の新芽などが食害されておりその影響が気になります。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲オオバン
▲オオバンの集団
▲オオバンの弁足
▲畦で草を食べるオオバン


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