アブラゼミ(№193)

 夏真っ盛り。クマゼミのシャンシャンとうるさい声に眠い目をこすりながら目覚めることがあります。やがて、午後になると、ミーンミーンとその鳴き声が変わります。アブラゼミの出番です。
 オスのセミは、鳴くことでメスを呼び寄せます。つまり、セミは音を聞き分けることができるはずです。昔、ファーブルは鳴いているセミのすぐ傍で大砲を撃ちました。何の反応もしなかったセミを見て、セミには耳がないと考えました。
 セミの腹側、後脚(後ろ足)の付け根左右に、丸いふたのようなものがあります。これは復弁といいますが、復弁をめくりあげると下に白い膜が見えます。この膜が鏡膜と呼ばれ、セミの耳に当たる働きをしています。鏡膜はセミの声には反応しますが、大砲の音には反応しないのでしょう。
 この鏡膜はオスで大きく、メスでは小さいのですがなぜでしょうか。メスがオスの声に惹かれるので、逆のようにも思えるのですが
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▲アブラゼミの腹弁
▲アブラゼミの鏡膜