ハクサイダニ(№.320)

 最近、時々話題になる害虫として、ハクサイダニがあげられます。従来ムギダニとして片付けられていましたが、1993年に、新種のハクサイダニとして認められるようになりました。
 体長0.7mmm程度で腹部は黒く脚は暗赤紫色のダニで、活発に動き回ります。低温期(11月~2月)に活動し、夏季には卵で休眠します。これまでのところ、雄は見つけられず、単為生殖(雌のみで増殖)するようです。コロニー(集団)は作らず単独行動の多いダニです。最近、被害例を耳にすることが多くなりました。加害植物はアブラナ科野菜、ホウレンソウ、ニンジン、パセリ、シュンギク、イチゴ、ムギ、ハコベ、ホトケノザなど非常に多種に及びます。特に、秋野菜での被害が多く、結球内部や芯部に寄生し、汁液を吸収するようです。幼苗では、被害が多いと枯死することもあります。局所的に発生することが多く、天敵も知られていません。また、登録農薬も殆ど無く厄介な害虫です。
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はくさいだに1
はくさいだに2
▲ハクサイダニ
▲ハクサイダニ