キノカワガ(№278)

 寒風が吹く雑木林にシラカシの木がありました。その幹が二股に分かれたところにガの成虫らしいものを見つけました。翅の色、模様が木の皮そっくりなだけでなく、翅の表面までがでこぼこしており、いかにも木の皮の様子をしています。
 このガの名前はそのものズバリ、キノカワガです。色は茶褐色、緑がかった褐色など変異に富むそうです。自身の体色にあった幹や枝に止まるとフット消えたように姿が見えなくなることがあります。しかし自身の体色にあった幹を選んで止まるのではないらしく、せっかくの保護色が生かせてない場面も見られます。
 年2回の発生で、冬は成虫で越します。越冬は木の幹表面で、葉陰や木の皮の下などに潜ることはありません。変温動物ですから、寒い冬には動きも鈍いはずですが、つついたりすると意外と素早く逃げ出します。幼虫は緑色のイモムシでカキの葉を主として食害しますが、マメガキ、トキワガキ、ニワウルシ、サクラ等も食べるようです。
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◀キノカワガ成虫


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