キアゲハ(№270)

 夏の終わりのパセリ、ニンジンはちょっと油断すると葉が丸坊主になることがあります。これは殆どがキアゲハ幼虫の仕業です。
 キアゲハはどこに
でも見られるアゲハチョウの1種で、翅の長さが4~6cmの大型のアゲハチョウです。ナミアゲハとよく似ていますが前翅表面基部が全体に黒く、黒い縞模様のナミアゲハと区別できます。また、その名のとおり全体に黄色が強いことでも区別できます。成虫は日本全国で見られ、年に2~4回発生し、蛹で越冬します。幼虫は、セリ、ハマウド、シシウド、アシタバ、フェンネル、パセリ、ニンジン、ミツバなどのセリ科植物を食べます。雑草だけではなく、ハーブや野菜にもつきますので害虫として嫌がられます。若令幼虫(1~3令幼虫)は鳥の糞に似せた黒褐色の保護色ですが、終令幼虫は橙黄色、黒色と緑の派手な色に変わります。これは警戒色と考えられていますがそのバックボーンは何でしょうか。
 アゲハチョウの幼虫は驚くと臭角(肉角)と呼ばれる2本の角を頭の後ろから出します。アゲハの種類によってその色は違いますが黄または紅色でキアゲハは橙黄色です。アゲハの幼虫を襲った天敵は突然出てくる角にびっくりするかもしれません。しかしこの角はもうひとつの機能、つまり悪臭を放つという意味で嫌がられそうです。この派手な幼虫は臭いぞ、との警戒色なのかもしれません。
(*画像をクリックすると拡大します)
▲キアゲハの卵
▲若令幼虫
▲終令幼虫(円内は臭角を出した幼虫)
▲成虫


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