ヌートリア(№573)

 流れの緩やかな河岸や池沼近くで大型のネズミを見られた方は多いと思いますが、これはヌートリアです。
 南米原産の哺乳類、ネズミ目ヌートリア科のヌートリアで、第2次世界大戦以降毛皮用に日本に導入され西日本で飼育されました。しかし、毛皮の需要がなくなり、放されたものが自然増殖し現在に至っています。水辺を離れることは稀で、寒さにも弱いため中部から関西、中四国の一部で見られます。体長(頭~尻、頭胴長)40~60cm、尾の長さ30~40cm、体重5~9㎏、全身茶褐色で目と耳の小さなドブネズミと言えそうです。後ろ足には水かきがあり潜水は得意で、数分間も潜っていることがあります。また、水辺の生活に適応し、乳頭がわき腹の背中寄りにあることで浅瀬での授乳も可能です。門歯が長く、オレンジ色をしているのが特徴です。水辺に直径30㎝、長さ6mぐらいの穴を掘って一夫多妻の生活をしています。
 基本的には草食性ですが、貴重な水生植物を食害したり、あまり
 国内には天敵がいないことから今後の動向に注意が必要な動物です。中国では食用にされることもあるようです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ヌートリア(オレンジ色の門歯が見える)
▲水中でエサを取るヌートリア
▲2匹でじゃれあうヌートリア

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