イシガケチョウ(№442)

 チョウ目タテハチョウ科の仲間は日本に88種知られています。その中でも、最近生息地を北上させている蝶の一つにイシガケチョウがあります。イシガキチョウとも呼ばれますが、翅の地色が白から淡黄色で石垣のような褐色の筋が入っているところからつけられた名前です。英語ではmap-wing butterflyとも呼ばれ、石垣のような筋を経度、緯度と見て付けられたようです。またタテハチョウ科の仲間は、前脚が退化し、脚としての役には立たないような形をしており、4本足のようにも見えるのも特徴の一つです。
 前翅長は26~36mm、開長は55mm程度で、翅の大きさの割に開長が小さいのは翅が縦長の形をしているためです。元々南方系の蝶ですが、最近では近畿、東海地方以南で見られるようになりました。止まる時は羽を水平に広げその石垣模様がよく見えるような止まり方をします。林縁部に多く、花から吸蜜したり、路上で吸水している個体も見られます。幼虫の食草はイヌビワ、イチジク、オオイタビ、ガジュマル、アコウ、ゴムの木などクワ科の植物が多いようです。幼虫は頭部に2本と、腹部に2本の突起を持った特異な形をしています。年3~4回発生を繰り返すようです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲地上で吸水中のイシガケチョウ
▲地上で吸水中のイシガケチョウ

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