ツヤアオカメムシ(№393)

 庭木の剪定作業をしているとカメムシのあの嫌なにおいがすることがあります。その正体の一つにツヤアオカメムシがいます。
 ツヤアオカメムシは元々南方系のカメムシで、生息域を北上させている昆虫の一つです。成虫は艶のある緑一色で体長14~17mm、越冬は成虫で樹木の葉陰や樹皮の隙間等で冬を越します。年間2~3回発生するようで、成虫も幼虫も植物に口針を差込み、消化液を注入して液状になった組織を吸汁します。特に果実を好むようで、ウメ、ナシ、ビワ、リンゴ、ミカン、カキ、モモなどの幼果から吸汁すると果実はボコボコになり、熟果では吸汁された内部がスポンジ状となり商品価値がなくなります。繁殖するためにはスギやヒノキの球果からの吸汁が必須で、スギ、ヒノキの球果が多い年には発生が多くなることが知られています。
 ツヤアオカメムシによく似たカメムシとしてミナミアオカメムシがいます。ミナミアオカメムシも緑色ですが艶がないこと、前胸背板(成虫の背中側、やや頭よりの部分)に小白斑が3つあること等で区別されます。ちなみにミナミアオカメムシは稲の害虫です。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ユッカの葉陰に潜むツヤアオカメムシ
▲シュロの中で越冬中のツヤアオカメムシ

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