キショウブ(№549)

 梅雨が近づくと、アヤメの仲間が咲き始めます。ところで園芸種であるハナショウブは紫~青~白の花が多く、黄色の花はありません。明治期に黄色のハナショウブとして西アジアやヨーロッパ原産のキショウブが園芸用に導入され栽培されました。しかし、非常に丈夫で、種子繁殖と同時に地下茎でも繁殖するため、全国の湿地や放棄田で繁茂し、目立つ存在になってきました。現在では、放棄田が増加するだけでなく、美しい花のために苗が盛んに販売され公園やビオトープなどでも栽培されるようになり益々繁茂を続ける状況となり、環境省の「要注意外来生物」に指定されるようになりました。
 草丈50~120cm、中肋が隆起した剣型の葉をしており、5月~6月に黄色い大型の花を咲かせます。花は先端が直立した小型の内花被片3枚と、大型で先端が下垂した外花被片3枚からなり外花被片の基部には褐色の蜜標(花粉媒介昆虫に蜜のありかを示す模様)が入ります。
 キショウブも園芸用に改良され、斑入り葉、八重咲などの園芸品種が作出されています。
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▲一面に咲くキショウブ
▲キショウブの花

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アオバズク(№548)

 青葉が色づく頃、神社や大きな公園など大木のある付近で「ホッホ、ホッホ」と2度続けて鳴く鳥の声を耳にすることがあります。これは、東南アジアで越冬し春に日本、中国、朝鮮半島などへ渡り繁殖するアオバズクの声です。このように、春に渡来し日本で繁殖する鳥を夏鳥と呼んでいますが、アオバズクの名前は青葉の頃に来るところから名づけられたそうです。ズクはミミズクのことだと思いますが、アオバズクはミミ(羽角)がなく坊主頭のようになったフクロウの仲間です。
 全長約30cm、羽を広げると66~70cmになります。頭から背は褐色で、腹面の羽は白く、褐色の縦縞が入ります。虹彩(目の周り)は黄色くくちばしは黒です。大木の洞に営巣するため、神社仏閣、古い公園などに多くいます。夜行性で、昼間は木の枝にとまり休んでいます。フクロウ類の中でも、昆虫類(セミ、カブトムシ、大型のガ類など)を主食にしています。
 子育て中の親鳥は、昼間は巣の近くの枝で休んでいますが、人が近づくと警戒し、その鳴き声に驚いたひなが巣から落ちるようなこともあるようで、離れたところから静かに見守るようにしたいものです。
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▲アオバズク成鳥
▲アオバズク幼鳥
▲アオバズク幼鳥

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キュウリグサ(№547)

 ハコベと同じように日本全国の道端、庭園など土のある所ならどこにでもはびこる雑草の1種で、葉や茎を揉むとキュウリのような匂いのする植物があります。その名もキュウリグサ、ムラサキ科キュウリグサ属の越年草です。
 草丈10~30cm、秋に発芽し、ロゼット状の葉で冬を越します。春(3~5月)には下部は有柄(葉柄がある)、上部は無柄(葉柄がなく、直接茎に葉身が付く)で互生の葉をつけた花茎を延ばし、先端に花序(花の集まり)を付けます。花序は最初サソリの尾のように巻いており(卷散花序)下から順に、まっすぐ伸びながら開花していきます。花の直径は2mm程度で非常に小さく見落としそうになりますが、拡大してみると、中心部に黄色い副花冠を持った淡青紫色のかわいい花です。花弁5枚、ガク片も5枚ですが果実は4個の分果(複数の子房からできた果実)を付けます。
 別名タビラコともいわれますが、春の七草のタビラコ(キク科のオニタビラコ)とは別物です。拡大した花を見ていると、キュウリグサではなくもう少しかわいい名前でもよさそうに思えますね。
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▲路傍のキュウリグサ
▲キュウリグサの花(拡大)
▲キュウリグサの花序(先端はサソリの尾のように巻いている)

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