アマナ(№687)

 5~6月には早春の草花が咲き乱れますが、そ前のわずかな期間を狙って、葉を広げ、花を咲かせる植物の一つとしてアマナがあります。従来はチューリップ属に分類されていたユリ科の多年草です。地下10㎝程度の比較的深いところに球根を作り、そこから伸びた1本の茎に葉が2枚と花1個を付けます。葉は長さ10~25cm、幅5~10mmで小さく、他の雑草が茂ると中に埋もれてしまい消滅してしまいます。花は3~4月の早春に花被(花弁とガク片)6枚で白色、裏面に紫色の筋が入ったチューリップそっくりの花をつけます。
 本州、四国、九州、奄美に分布しますが、里山として、野焼きや、春先の草刈りが行われる地域でしか見られません。以前はかなり多くみられ、その球根は食用にも供されていたようですが、他の雑草の繁茂に負け、最近は希少種の仲間に入ってしまいました。
 学名はチューリップ属として Tulipa edulis とされていましたが、最近日本語のアマナからアマナ属 Amana edulis に変えられました。ちなみに種小名の edulis は「食べられる」の意味です。
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▲アマナ
▲アマナの花

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ムーアシロホシテントウ(№686)

 昆虫採集の方法の一つにスイーピングという方法があります。昆虫採集用の捕虫網で草原や、樹木の枝葉をめがけて掬い取り中に入った昆虫を調べる方法です。エノキの枝葉を掬っているとオレンジ色の地色に白い斑点を付けた体長4~5mmの可愛いテントウムシが入りました。シロホシテントウムシの仲間で、その斑点の模様から、ムーアシロホシテントウムシであることがわかりました。
 それほど珍しくもない、普通種のようですがテントウムシやナナホシテントウムシのように我々の身近でいつでも見られる種類でもありません。テントウムシやナナホシテントウムシは家庭菜園や花壇の花に発生するアブラムシを食べに集まって来るため目に付きやすいのですが、ムーアシロホシテントウは竹林や樹林から見つかることが多く目につきにくいのかもしれません。そのせいか、普通種であるにもかかわらず、その生態については、あまりはっきりとは調べられていないようです。
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▲ムーアシロホシテントウ
▲ムーアシロホシテントウ

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ノウルシ(№685)

 スプリング・エフェメラルにしてはあまり話題に上らないのがノウルシでしょう。ヨシやオギが茂る湿地や河原で、ヨシやオギが茂る前の早春に芽を出し花を咲かせ、梅雨以降は休眠に入る植物たちの一つにノウルシがあります。
 ノウルシはトウダイグサ科トウダイグサ属の多年草です。早春3月には芽を吹き、草丈30~40㎝になった4~5月に花をつけます。花は黄色で、群棲するため一面に黄色の花畑が出現しますが、6月には枯れ始め、跡地にヨシやオギが茂り、翌年までの長い休眠に入ります。茎を傷つけると乳液を出し、人によってはかぶれるためノウルシと呼ばれますが樹木のウルシとは全く別物です。葉は鋸歯のない楕円形で、中肋が白く目立ち互生します。茎の先端に花をつけますが黄色く目立つのは総苞や苞などで、花には花弁もガクもありません。雌しべ1本だけの雌花と雄しべ1本だけの雄花数個があります。雌しべが受粉すると、その柄が伸び、とげとげのある幼果が目立ちます。非常に複雑な構造をしていますので、一度観察してみてください。
 生息地が湿地に限られるため、湿地の減少とともに生息地も減少しており、多くの生息地で準絶滅危惧種に指定されています。
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▲ノウルシの群落
▲ノウルシの群落
▲ノウルシの花序(各杯状花から受粉した雌花が1個下垂している)
▲ノウルシの花序(花には花弁やガクはない)

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