フクラスズメ(№639)
11月のある日、道端のカラムシがすべての葉を食い尽くされ、茎だけになっているのが見つかりました。よく見ると、茎のところどころに体長7cm程度の派手な模様をした毛虫がくっついていました。
ヤガ科フクラスズメ属のフクラスズメの幼虫です。フクラスズメとその名前にスズメが付きますがスズメガの仲間ではなくヤガの仲間です。成虫は前翅長3~4cmの黒褐色をした中型のガで、後翅に水色の太い紋があります。毛深く、寒中に羽を膨らませたスズメ(フクラスズメ)をイメージして付けられた名前のようです。成虫は7,8月と10,11月の年2回発生し、秋に発生した成虫は建物の隙間などで冬を越し翌春にも活動します。
フクラスズメの幼虫は写真のように頭と腹脚が橙色か黒く、体側に黒と白の線、背中に細かい白黒の横縞模様といかにも毒々しい色をしていますが、全く毒はありません。そのうえ、驚くと体をブルブルふるわせ、その振動を感じた他の個体もブルブルふるわせるためカラムシの集団全体が震えるという賑やかさです。この幼虫を狙ってやって来た鳥たちもさぞびっくりすることでしょう。幼虫はイラクサ科のカラムシ、イラクサ、ヤブマオウ、コアカソなどのほかに、クワ科のクワ、カナムグラなどを食害します。
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ヤガ科フクラスズメ属のフクラスズメの幼虫です。フクラスズメとその名前にスズメが付きますがスズメガの仲間ではなくヤガの仲間です。成虫は前翅長3~4cmの黒褐色をした中型のガで、後翅に水色の太い紋があります。毛深く、寒中に羽を膨らませたスズメ(フクラスズメ)をイメージして付けられた名前のようです。成虫は7,8月と10,11月の年2回発生し、秋に発生した成虫は建物の隙間などで冬を越し翌春にも活動します。
フクラスズメの幼虫は写真のように頭と腹脚が橙色か黒く、体側に黒と白の線、背中に細かい白黒の横縞模様といかにも毒々しい色をしていますが、全く毒はありません。そのうえ、驚くと体をブルブルふるわせ、その振動を感じた他の個体もブルブルふるわせるためカラムシの集団全体が震えるという賑やかさです。この幼虫を狙ってやって来た鳥たちもさぞびっくりすることでしょう。幼虫はイラクサ科のカラムシ、イラクサ、ヤブマオウ、コアカソなどのほかに、クワ科のクワ、カナムグラなどを食害します。
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ガガブタ(№638)
本稿№530でアサザを紹介しましたが、同じミツガシワ科アサザ属にガガブタと呼ばれるよく似た水草があります。本州以西の湖沼、溜池などの止水域で見られ、水底の根から茎をのばし、水面近くで葉柄と葉を出します。葉は卵心形の浮葉で長さ8~10cm、花は7~10月に直径2~3cm程度の白い5弁花を開き、午前中に開花、午後には閉じてしまいます。花弁の周囲は細かく裂け、毛のように見えます。この花は異形花柱性で自家不和合性のため他花受粉でない限り、結実しません。しかし、茎の先端部に殖芽を生じ無性繁殖できるため受粉なしでも繁殖は可能です。
国内では、止水域の減少により、発生は非常に少なくなり環境省の準絶滅危惧種、大阪府では絶滅危惧1類に指定されています。アサザは時々群落を見かけますが、ガガブタはほとんど見かけられなくなりました。貴少種はどうすれば守れるのでしょうか。
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国内では、止水域の減少により、発生は非常に少なくなり環境省の準絶滅危惧種、大阪府では絶滅危惧1類に指定されています。アサザは時々群落を見かけますが、ガガブタはほとんど見かけられなくなりました。貴少種はどうすれば守れるのでしょうか。
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ヤマトシミ(№637)
紙魚と書いてシミと読みます。シミの仲間はおよそ3億年前、多足類と昆虫類の共通祖先から昆虫が進化した時代から今日まで、今と同じ形で生きてきたと考えられています。体は扁平で、体を自由に曲げられることから「魚」の字があてられたようです。英語でもSilver Fishと呼ばれます。腹部体節に毛状の付属肢(腹肢)があり、翅はありません。卵から生まれた姿は成虫を小型化した形で、脱皮ごとに大きくなりますが姿は殆ど変わりません(無変態)。無変態の昆虫はシミとイシノミだけです。体には銀色~灰黒色の金属光沢をもつ鱗があります。
元々自然の中で生活していたシミですが、家屋内に入り込み生活しているシミは国内ではヤマトシミ、セイヨウシミ、マダラシミなど数種類だけです。紙や炭水化物類を削り取る様に食べ、穴をあけるようなことはしません。エサがなくても1年ぐらいは生存でき、水分も空中水分から吸水できるようで、通常7~8年生きるといわれています。
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元々自然の中で生活していたシミですが、家屋内に入り込み生活しているシミは国内ではヤマトシミ、セイヨウシミ、マダラシミなど数種類だけです。紙や炭水化物類を削り取る様に食べ、穴をあけるようなことはしません。エサがなくても1年ぐらいは生存でき、水分も空中水分から吸水できるようで、通常7~8年生きるといわれています。
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