2019年4月(April)
4月になりました。桜の季節です。桜はイネの種播きの頃に咲くので、古くから穀物の神の依代(神霊が寄りつくもの)と信じられ、満開の桜は秋の豊かな実りの象徴とされていたそうです。確かに、何か神聖なものが宿っているような、厳かな美しさがありますね。 |
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結婚式 | ||
ユキヤナギ、レンギョウが開花したかと思うと、桜が咲きはじめ、日当たりのいい暖かな場所は満開です。チューリップ、ヤマツツジも早くも咲き始め、様々な花がいっせいに街や庭を彩っています。 花の香りを含んだ風、明るいけどちょっと物憂げな光。 この季節は何もかもが美しいので、私は貪欲に春の一瞬一瞬を心に焼き付けたくなります。 私事ですが、先日長女の結婚式でオーストラリアに行ってきました。 2018年1月の「今月の花」に登場した「同僚」とご縁があったのです。 あの時、私は長女の同僚に連れられて、その人の実家に行きました。 そして、国は違うのに(カナダとオーストラリア)、モンゴメリの「赤毛のアン」に出てきそうな光景に驚いたものでした。 モンゴメリの小説に出てきそうなその家が、長女の新しい故郷になりました。 結婚式も、国は違うのにやはり「赤毛のアン」の世界でした。 アンがグリーンゲイブルズでダイアナとマリラに送り出してもらったように、長女は彼の家で彼の妹と彼の母に支度をしてもらい、果樹園ではなくボタニカルガーデン(植物園)で結婚式をあげました。 美しい自然に包まれて誓いの言葉、多くの人のアットホームで温かい祝福。 知らない土地で、言葉もわからないのに、何故かとても懐かしい気持ちになりました。 私は、幼い頃から「赤毛のアン」の世界が大好きで、今も心の一部をプリンスエドワード島に置き忘れているような気がしています。 その懐かしい様々な光景が、娘の結婚式を通じて蘇ってきました。 もちろん、これからはずっと遠く離れて暮らすわけで、「寂しくない」と言えば嘘になります。 寂しさは、きっとこれからじわじわと押し寄せてくるのでしょう。 でも娘をしっかりと守ってくれる人に託せた、安堵の気持ちのほうが大きいです。 そして、あの美しい自然の中で、自然を大切に思う人たちと共に生きていくのは、多分とても幸せな事でしょう。 これでいよいよ、母親業から卒業です。 |