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漂う空気が、暖かく物憂げになってきました。木々に咲く花が、早春らしい華やぎをもたらしています。3月6日は啓蟄です。冬眠していた虫達が春の訪れを感じ、穴から出てくる季節です。エコ・ワークスの庭には、春の兆しがいっぱいです。
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アネモネ(キンポウゲ科) 地中海沿岸原産。北半球の温帯から亜寒帯にかけて約120種、日本にもシュウメイギクなど10数種が自生します。 全草にプロトアネモニンを含み有毒です。ギリシャ語で風を意味するanemos(アネモス)にその名を由来し、英名もウィンドフラワー(wind flower)です。早春の穏やかな風に撫でられるように咲くからこう呼ばれたそうです。 ボタンイチゲやハナイチゲとも呼ばれます。「一華」とは一般には一つの茎に一つだけ花が咲く植物に付けられますが、仏教では悟りを求める心のたとえに使われます。
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トサミズキ(マンサク科) 四国に分布する落葉性の低木~小高木です。高知(土佐)の蛇紋岩地に野生のものが多く見られるため、この名前があります。葉の形がミズキ科の樹木と似ているのでミズキと名前が付きますが、ミズキ科ではなくマンサク科です。早春から明るい黄色の花を咲かせ、江戸時代から庭木や盆栽、切り花として親しまれてきました。葉はタマゴ型で、裏は粉をふったように白っぽくなります。3月~4月にぶら下がるように花穂が長く伸び黄色い花を咲かせます。海外へは19世紀、シーボルトにより紹介されました。 |
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アセビ(ツツジ科) 昔から日本で親しまれてきた常緑低木で、2月か3月ごろから、枝先から花茎を伸ばして小さな壷型の花をたくさん咲かせます。一般の馬酔木は花色は白がポピュラーですが、写真は「クリスマスチェアー」と呼ばれる紅花馬酔木です。葉は濃緑で鈍くツヤがあります。日向でも育ちますが、日陰のほうが花色や葉色が美しくなります。漢字で馬酔木とあてるように有毒植物として知られています。万葉人はこの花を非常に愛したそうです。 ~わが背子に わが恋ふらくは 奥山の 馬酔木の花の 今盛りなり~万葉集 |
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ベロニカ・オックスフォード(ゴマノハグサ科) ヨーロッパ原産の宿根草です。キリスト教伝説に語られる聖女ベロニカにちなんでこの名がつきました。花を穂状につけるスピカータと違ってオックスフォードは写真のように小さな一重の花を付けます。細やかな葉、茎がクッション状にやわらかく茂り、広がるように生育します。花は濃い青紫に白目が入りびっしりと咲き揃います。葉色はブロンズ色を帯び、秋冬はさらに深い色に紅葉します。性質が強健で、植えっぱなしでも増えるのでグランドカバーにおすすめです。
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クリサンセマム・ムルチコーレ(キク科) アルジェリア原産の一年草。ムルチコーレ(たくさん分枝する)の名の通り、根元からよく分枝して匍匐して広がります。冬にはタンポポのようにロゼット状になります。春~初夏にひょろりと花茎を伸ばしてツヤツヤとした黄色い花を咲かせます。花びらは一重で丸く可愛らしく、色の鮮やかさも人目を惹きます。コリオステフス属に変りましたが、園芸の世界ではクリサンセマム・ムルチコーレで流通しています。花言葉は「高潔」「誠実」
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キンギョソウ(ゴマノハグサ科) 地中海沿岸に分布し、本来は多年草ですが園芸では一年草として扱います。多くの園芸品種があり、花色や姿もバラエティーに富んでいます。花茎をまっすぐ上に伸ばし、穂状にたくさんの花を咲かせます。主な開花期は春~初夏ですが、品種を選べば真冬に花を咲かせる事もできます。草丈は矮性種で20cm~30cm、高性種では1mに達するものもあります。花色は白、黄、ピンク、オレンジ、紅、緋色、紫などがあります。花言葉は「清純な心」「快活」と共に「推測ではやはりNOです」と不思議なものもあります。 |