今月の花 2013年12月(December)


 風に落ち葉が吹き寄せられ、カサカサと音を立てています。急に寒くなりました。
12月7日は二十四節気では大雪(たいせつ)です。これからは寒くて慌しい季節がやってきますね。
今月は花ではなく、ツヤツヤとした丸い実をつけた可憐な植物たちをご紹介します。

 ペルネティア・ムクロナタ(ツツジ科)
チリ・アルゼンチン原産。球形の果実が美しい鉢花です。果実の色は赤が基本色ですが、改良が進んで、桃、紫、赤褐色、白など多彩になっており、いずれも大理石模様の光沢があります。春にドウダンツツジに似た花がつきますが、秋~春まで楽しめる果実を鑑賞します。白や淡桃の系統は「真珠の木」の名前で流通しています。毒性があるので実は食べられません。

 

 

オオミムラサキコケモモ(キキョウ科) 
熱帯アジア原産の匍匐性多年草です。クランベリーに似ているのでパープルクランベリーの名で流通していますが、クランベリーはツツジ科で食用なのに対して、本種はキキョウ科で食べられません。5~7月に淡紫色の可憐な花が咲きます。繁殖力が旺盛です。

 ウメモドキ(モチノキ科)
日本(本州・四国・九州)の山野に自生する高さ2~3mの低木で冬は落葉します。葉の形や枝振りがウメに似ているので「ウメモドキ」の名前があります。直径5mmくらいの球形の果実が枝にびっしりと付き9月頃に赤く熟します。果実は秋口から落葉後の真冬まで長期間鑑賞でき、葉のあるときと落葉後ではその趣が異なります。この赤い実は小鳥が好んでついばみます。

 

 フユサンゴ(ナス科)
アジアからアフリカの熱帯地方原産のナス科の小低木です。夏に咲く小さな白い花は地味ですが、実は大きく可愛いので秋~春に長く楽しめます。実は白から、熟するにしたがって黄色、オレンジ色へと変化します。実には毒があり、口にすると中毒を起こします。タマサンゴ、リュウノタマ、タマヤナギとも呼ばれます。英名もこの実の形からクリスマス チェリー、エルサレム チェリーです。

 

 チェッカーベリー (ツツジ科)
北アメリカの東部に分布しています。15cmほどの高さで細い茎を叢生しカーペット状に育ちます。葉は光沢ある暗緑色で冬には赤みを帯びます。夏に葉腋にピンクがかった白い花が咲き、秋から
実が鮮やかな赤になり、ひときわ美しくなります。和名ではヒメコウジ(姫柑子)と呼ばれます。実は不味いが食べられるという説と食べられないという説があります。

 

 クリスマスホーリー(モチノキ科)
尖った葉がイバラの冠、常緑の葉が永遠の命、赤い実がキリストの血を象徴するためクリスマスによく使われます。葉は楕円形で光沢があり縁に鋸歯があります。赤い実は苦くて鳥に好まれません。狭い意味でのクリスマスホーリーは「イングリッシュホーリー(セイヨウヒイラギ)」だけですが、日本で流通しているのはチャイニーズホーリー(ヒイラギモチ)がほとんどです。

 

     晩秋

  季節が移ろうに連れて、街の風景が変ります。いち早く色づき始めたハナミズキに続き、桜が葉を染め、モミジ、ドウダンツツジなどが鮮やかに色づき、葉を落とします。

 「たまには、二人で京都巡りをしようよ!」
長女の提案で、先日二人で京都観光をして来ました。
 銀閣寺~哲学の道~永観堂~南禅寺~清水寺 という定番の観光コースです。私の若い頃はこの道は、「アン・ノン族」と呼ばれる、若いお洒落な女性たちが、大勢いたものでした。
今回は、中高年や修学旅行生に混じって、外国人が多く、英語・中国語・韓国語が いっぱい飛び交っていました。様々な国籍の人が、みんな同じように満ちたりた表情で優雅に行動しているように見えました。

 比叡山を借景とした東山界隈はどこも美しいです。
銀閣寺の庭園はきちんと整えられ、洗練された美しさです。
永観堂はくっきりとした紅葉が溢れんばかりで、廊下にまで紅葉の赤が映りこんでいます。
清水の舞台から見おろす紅葉のパノラマ は壮大です。
 葉の一枚一枚・木の一本一本が、こんなにくっきりと綺麗なのは、気候や水の影響もあるのでしょうが、きっととても手入れがいきとどいているのでしょう。

 長女は、庭園に「綺麗!」と息を呑み、 「落ち葉の匂いが好き!」「日本に生まれて、本当に良かった♪」と、自然を楽しんでいました。
「センス・オブ・ワンダー」(自然の美しさ・不思議さに目を見張る感覚)に、やや欠けている長女が、自然の美しさに感動している姿に、私が感動してしまいました。  

 古都の魅力は、長い年月の間に、自然・風土・文化・歴史のすべてが、上手く融合して、出来上がったのでしょう。そして、木々は古くからずっと、迷いや願いや悲しみを抱えて訪れる人を見守り、その美しい姿で、感動と安らぎを与え続けてきたのかもしれません。
長女と同様に、「日本に生まれて、本当に良かった♪」と思えた一日でした。

 


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