今月の花 2013年11月(November)



秋日和という言葉がぴったりの、穏やかな日差しの日々が続きます。
11月7日は立冬、暦の上ではもう冬になります。これからは紅葉が美しい季節ですね。
エコ・ワークスの庭は、キク科の植物が多く開花しています。

 ナカガワノギク(桃の輝き)(キク科)
元々は徳島県の那賀川とその支流である日和佐川にのみ生育する固有種で、日本産のキク属では分布域がもっとも狭いです。生育地は流れの縁の岩場で、このような渓流沿いの植物は、水の抵抗を弱くするため葉が細くなっているのが特徴です。草丈は10~50cmくらいです。開花時期は10~12月で、舌状花は初めは白く後に淡い紅色を帯びます。写真は園芸種で「桃の輝き」の名前で流通しています。

 

ホトトギス(ユリ科)
日本・東アジア原産の山野草として人気の高い植物です。山野の日当たりの弱いところに自生します。花びらの斑点模様が鳥のホトトギスのお腹の模様に似ているので、この名がつきました。油点草とも呼ばれます。野趣が溢れる風情があるので茶花や生け花にも好まれます。品種によっては白いものや斑点の入らないものもあります。暑さや寒さにも強い丈夫さが魅力的です。花言葉は「永遠にあなたのもの」

 セイヨウギク(キク科)
中国や日本の菊が欧米で人気を呼び品種改良された物です。スプレーマム(多く分枝し円錐形に数多くの頭花を咲かせるもの)、ポットマム(鉢植えに向いた生種)などがあります。写真はゼンブラライムと呼ばれるものです。一つ一つの花がダリアのような大きさと形で、ライム色がはなびらを縁取ります。その優雅な花姿が洋風アレンジにも好まれています。

 

 アカリファ・ウイルケシアナ(トウダイグサ科)
太平洋諸島(フィジー島など)原産。銅赤色をした葉に、紫や茶色などの班模様が特徴的です。春から夏にかけて細長い穂状の赤い花をたくさんつけますが、目立ちません。多くの品種がありますが、写真のニシキアカリファが特に有名です。沖縄では庭木として広く栽植されています。強い光を好むので夏は戸外の強い光のもとで育てるのがよいのですが、10月になれば暖かい室内の明るい窓際に置きます。煮出すと赤い染料が採れるようです。

 

 クリナム(ヒガンバナ科)
 世界の熱帯から亜熱帯に約160種が分布する大型の球根植物です。大半の種はアフリカに分布しますが、日本の西日本の海岸を中心に自生するハマユウもその仲間です。細長~やや幅広い葉を株元から出し、太い花茎を50cm~1m伸ばしてその先端に数輪の花を咲かせます。花びらは6枚で付け根の部分でくっついています。花色は白やピンクで、夜間に芳香を放ちます。名前はギリシア語でユリを意味する「クリノン」から来ていて姿がユリに似ているところにちなみます。

 

  ビデンス(ウィンターコスモス) (キク科)
 北アメリカ原産で、世界中に約230種が分布するキク科の草花で一年で枯れてしまうものと毎年花を咲かせるものがあり、日本でもセンダングサなど6種が自生しています。ビデンスの名前はラテン語の「2」と「歯」を意味し実に歯のような2本のトゲがあるところからきています。開花期は主に秋~冬で、コスモスに似た花を冬に咲かせるということで「ウインターコスモス」の名前で普及しました。花言葉はもう一度愛します」「忍耐」
     小さな働き者達
  金木犀の香りを含んだひんやりとした空気が漂い、木々の一部に紅葉が見られます。これからは街の風景が彩り豊かになりますね。あんなに賑やかだった秋の虫たちが、段々音を潜め、秋も深まってきました。

先日、人間の体内で活躍する菌について書かれた本(*註)を読みました。 人間の腸内には色んな菌が住んでいて、様々な物質を作り出しているそうです。
パプアニューギニアの住人は、タロイモ・ヤムイモばかり食べていながら、筋肉隆々です。これには腸内細菌が大きく関わっているそうです。マメ科植物がタンパク質をつくり出すように、様々な腸内細菌が協力し合って、窒素を固定し、タンパク質をつくり出すのです。
私たちは食べ物を、自分だけのために食べていると思っていますが、実際は腸内細菌を育てているのです。そして、何をどう食べるかで、育つ菌種も全く変ってきて、その作り出すものに体は大きく影響されるそうです。
この大きな地球の上に生きている、人も植物も微生物もそれぞれが、私たちが考えているよりも、ずっと多くの影響を与え合って、生きているのですね。

かつて、エコ・ワークスの実験室で、菌を育てていました。 エコ・パワーという、強いアルカリ性でも育つ微生物達です。酸化カルシウムを無理やり溶かし込んだpH11程の培地で、たくさんのコロニー(菌の塊)を作って、すくすくと育っていました。
このエコ・パワーは、強いアルカリに汚染された土壌を、中性に近いふかふかの土壌に変えます。しかも、微生物というのは、条件さえ整えれば、どんどん育ち、長く働き続けてくれます。
 コストが大きく関わってくる環境問題に、微生物はうってつけです。いつか、エコ・パワーも環境問題に大活躍して欲しいものです。

 *註  大便通  辨野義己  

 

 
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