じりじりと暑い日々です。朝は 「ジージー」「シャーシャー」と、セミの鳴く声で暑苦しく目覚めます。最近は、温暖化の影響でアブラゼミが段々姿を消し、クマゼミが増えているそうです。
セミといえば、先日夫と夜の公園のケヤキ並木を歩いていた時の事です。夫が「おっ、クマゼミ!!」と呟いたので、何となく目を向けたら、思いがけない光景を見ることができました。
たくさん並ぶケヤキの木の幹に、それぞれ5匹くらいずつでしょうか?セミが羽化しているのです。 丁度満月で明るく、防犯灯の光も柔らかくセミたちを照らしています。その光を受けて羽化したてのセミたちの羽根は、透き通りながらうっすらと緑色の光を放っているのです。クマゼミの羽化とは、あんなに幻想的で美しいものなのですね。
翌朝、昨夜のワクワクする体験を、娘に伝えようとしたのですが、あまり興味を持ってくれません。というより嫌がられました。我が子が、同じ感覚を持ってくれないのは、淋しいものがあります。子どもというものは、なかなか親の期待通りには行動してくれませんね。
きっと、女性には二通りあるのでしょうね。「虫愛ずる姫君」と「虫ディスる姫君」(私が勝手に作った言葉です。)とが・・・・。
「愛ずる」とは、可愛いから好き、美しいから好きというのではなく、ゆっくり時間をかけて本質を見つめ、素晴らしさや魅力を感じる事だそうです。「ディスる」とは下に見て拒否する、という感じでしょうか?
幼い頃から自然の中で多くの楽しい体験をしたはずの長女は、私の期待からは大きく外れ、「虫ディスる姫君」です。都会の煌びやかなショーウインドウや、お洒落なお店でのショッピングが大好きで、虫を見ると悲鳴を上げて拒否します。
そういえば、幼い頃、デパートでのショッピングが大好きな母に対して、私は人ごみが嫌いで、無理やり連れて行かれると頭痛やめまいを起こしました。その癖、セミや蛾の繭やナメクジを集める時は時間を忘れて生き生きしていたそうです。
人にはそれぞれに個性があり、「みんな違って、みんないい」のですよね。
そう理解しつつも、娘もいつかは 「自然の不思議さ美しさ」に感動する心を持って欲しいと、心のどこかで未練がましく思ってしまいます。
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