今月の花 2013年7月(July)

  蒸し暑い日々が続きます。梅雨明け頃に吹く南風のことを白南風(しらはえ)と言います。この風が吹いくと空が明るくなるからです。
 そんな梅雨の晴れ間の、エコ・ワークスの植物達の様子をお届けします。今回は、初夏特有の華やかな植物だけでなく、その影で目立たないけど可憐な植物達もご紹介します。

          

 イトバハルシャギク(キク科)
 アメリカ・熱帯アフリカ原産。コレオプシス属の半耐寒性多年草です。 草丈は30㎝で6~9月に黄色いコスモスによく似た鮮やかな花を 咲かせます。 夏の間元気な姿で咲き続けるので夏の花壇にはもってこいです。属名の Coreopsis はギリシャ語の「coris(南京虫)+opsis(似た)」に由来します。形が南京虫に似ているからです。同じ属のオオキンケイギクは。繁殖力が旺盛で他の植物を駆逐する恐れがあるので、日本では法律で栽培が禁止されています。

 アガパンサス(ユリ科ヒガンバナ科に分類される場合もあります。
南アフリカ原産の多年草。ギリシア語のアガベ(愛)とアンサス(花)から「愛の花」という意味です。別名はムラサキクンシランですが、クンシランは別属です。地際から光沢のある細長い葉を出しその間から花茎を伸ばし、先端に数十輪の花を放射状咲かせます。花色は紫、青紫、白などがあり、満開時は華やかです。ラッパ型で横向きに咲くものが多いですが、下向きや上向きもあります。草丈は30cmくらいのコンパクトなものから1mを越す大型種まであります。花言葉は「恋の訪れ」 
ヘメロカリス  ヘメロカリス(ユリ科ワスレナグサ科に分類される場合もあります。
日本や中国原産のユウスゲやカンゾウ類が品種改良された園芸品種ですが、広い意味で野生種も含みます。花が短命で一日しかもたないことから「デイリリー」とも呼ばれます。ギリシア語で「一日」を意味する「へメロ」と「美」と言う意味の「カロス」からこの名がついたのでデイリリーと由来は同じですね。大きさや花色など非常に多種多様で、性質もとても丈夫です。花は1-2輪ずつ咲くので花が一日でしぼんでも次々と開花し、長い期間花を楽しめます。←画像にカーソルを置くと変化します。 

 ヒルガオ(ヒルガオ科)
古代エジプト、東アジア原産。アサガオ同様朝開花しますが、昼になっても花がしぼまないことからこの名がつきました。
つる性多年草で、地上部は毎年枯れます。から蔓が伸び始め夏に薄いピンク色で直径5~6cmの花が咲きます。結実することはまれですが、地下茎で増え、一度増えると駆除が難しいほど増殖します花言葉は「絆」。 根で組み合っているので、この花言葉になったようです。アサガオと違って鑑賞用に栽培されることは、殆ど無く、雑草として扱われます。(エコ・ワークスの駆除の目を潜り抜け二輪だけ花を付けました。)


  シマトネリコ (モクセイ科)
別名タイワンシオジ。沖縄中国~インドに分布する常緑高木または半常緑高木で雌雄別株です。花期は5~6月頃で大きな花序に小さい花を多数つけます。亜熱帯の植物なので関東以南でないと露地での越冬は困難です。ツヤツヤした小さな葉が和風・洋風どちらの家にも似合うために人気があります。低温以外には気を使う必要が無く、病害虫も少なく強健で成長すると10mを越す高木になります。熱帯地方では家具材として使われます。

  サンゴミズキ(ミズキ科)
アジア東北部原産。ミズキ科の植物の一種 シラタマミズキ(白玉水木)の変種で枝が直立し、冬に枝が美しい鮮やかな珊瑚色になることからこの名がつきました。花期は5~6月頃で、枝先に4枚花弁の小さい白い花が沢山集まって咲きます。2013年2月の今月の花で珊瑚のように赤くなる枝を記事にしましたが、初夏にはこんな風になります。花言葉は「洗練」

                  

               南の島

 

  7月になりました。梅雨明けが待ち遠しい所です。
先日、今話題のPEACHを使って石垣島に行ってきました。関空から3時間足らずで、珊瑚礁の青い海にたどり着く事ができます。

滞在中、私はずっと「外国にいるみたい!」と言い続けて、家族に不思議がられました。言葉は同じ、人の顔も、街の光景もみんな同じです。 でも、何故か外国にいる気分になってしまうのは、植物が全く違うからです。

 マングローブは水面から、ニョキっと生え、
 アダンは小さなパイナップルのような実をつけています。
 大きな葉をツヤツヤさせているテリハボク
 いい香りの月桃(ゲットー)の花
 深緑の丸い葉で独特の形のガジュマル
 イジュの大きな白い花
 ヒカゲヘゴ、ヤエヤマオオタニワタリなどの大きなシダ
 普通に道端にユサユサと実っている島バナナ
 色んな所でサトウキビ畑が、ザワワと風に揺れています。 

子供の頃、時々遠足で温室を見学する機会がありました。むっとするくらい暖かくて湿った室内に育つ植物達を見て、南の島を思い描いていました。あのときのような植物達が、温室で守られてではなく、自然にダイナミックに生い茂っているのです。

 夜には星空観察をしました。星が多く見える事や流れ星が頻繁に見えることにも驚きましたが、一番驚いたのは星の位置が違う事です。北極星も北斗七星も本州で見るよりずっと低い位置にあります。一年中沈まないと学校で習ったオオグマ座が、沈んでしまいそうです。 

日本というのは、普段感じているよりずっと南北に長い国なのですね。 石垣島は沖縄の本島よりも台湾に近く、昔は台湾に出稼ぎに行っていたそうです。

 いつも物事を考える時、ついつい大阪や東京を中心にして考えてしまいますが、時には石垣島を中心にして考えてみると、世界やアジアとの関係がちょっと違った見え方になりそうですね。
                             

 

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