気温は中々上がりませんが、光は春が近づいているのを予感させます。木々の枝にぷっくりと膨らんだ芽、寒風の中開花している梅やミモザの花を見ると、春がやってくる喜びがじわじわと湧き上がってきます。 暖房器具が発達していなかった昔の人の春を待つ気持ちは、今なら予想もできないほどに、大きなものだったのでしょうね。 ふと気になって、三月の季語を調べてみると、約200個も見つかりました。学校でも習ったおなじみの物から、初めてその名を目にするものまで実に色々ありました。いくつか分かり易いものを並べて見ますね。
三月、如月、雛市、桃の節句、雛、白酒、菱餅、曲水、春の雪、初雷、春雷、啓蟄、東風、春めく、春の山、山笑ふ、水温む、春の水、春日祭、御水取 、彼岸、彼岸詣、彼岸桜、菫、蒲公英(たんぽぽ)、目貼剥ぐ、北窓開く、雲雀、燕、春雨、春泥、ものの芽、草の芽、牡丹の芽、芍薬の芽、桔梗の芽、菖蒲の芽、苗床、花種蒔く、鶏頭蒔く、夕顔蒔く、糸瓜蒔く(へちままく)、胡瓜蒔く、南瓜蒔く、茄子蒔く、牛蒡蒔く(ごぼうまく)、麻蒔く、芋植う、菊根分、菊の苗、萩根分、菖蒲根分、木の芽、芽柳、卒業、春の野、霞、陽炎、踏青、野遊、摘草、嫁菜摘む、蓬、母子草、土筆、蕨、薇、芹、磯開き、利休忌
ただ単語を見るだけで、様々な早春の風景が映像のように浮かんできます。
赤い毛氈に並ぶ雛人形 春一番 木々が芽吹いて、柔らかくなる山の色 ずっと閉ざしていた窓を開けると、入ってくる春の風 鳥の声 花の香り 山菜の香りとほのかな苦味 若草を踏む柔らかな感触
心の奥にしまっていた早春の記憶の欠片たちが、次々と五感に蘇ってきます。
いいお天気の、暖かな日には、義務や責任はちょっと横に置いて、野に出ましょうか? 早春の醍醐味が、いっぱいに見つかることと思います。 そして、いよいよガーデニングが楽しめる季節がやって来ます。
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