ワラジムシ(№111)

 石を動かすと、その下にワラジムシとダンゴムシがいました。ダンゴムシは体の表面につやがあり、いかにも硬そうで、驚いたりすると丸くなるためダンゴムシ(写真右)と呼ばれます。
 ワラジムシはやや扁平で、体の両端がやや尖り、丸くなりません。エビ等に近い仲間で、陸上に住んでいますがえら呼吸をしています。そのため乾燥した所には住みにくい生き物です。
 ワラジムシを迷路に入れてその動きを見ていますと面白いことに気づきます。最初の曲がり角で左へ曲がると、次の曲がり角では右に曲がります。更にその次は左へ、次は右へと毎回曲がる方向を変えながら前進します。これは交替制転向反応と言われます。やってみたところ、成功率80%の確立でした。あなたも、一度やってみませんか。
▲ワラジムシ
▲ダンゴムシ
▲迷路を進むワラジムシ

シナレンギョウ(№110)

 春、次々と咲く花で彩られますが、中でもあちらこちらで見られるレンギョウの黄色い花が目立ちます。枝があまり枝垂れず、直立したように見えるのはシナレンギョウです。
 シナレンギョウの花の中を覗いてみると、雌しべが飛び出したような花(写真左)と、雄しべが飛び出し、雌しべはその下にある花(写真右)の2種類があることがわかります。前者は長花柱花、後者は短花柱花と呼ばれます。
 蜜を吸いにハチなどが花を訪れ、頭を花の中に突っ込み蜜をなめますが、長花柱花では雄しべが花の下部にあるため、花粉は昆虫の頭付近にたくさん付きます。短花柱花では、昆虫の腹部に花粉がつきやすくなります。つまり、長花柱花の花粉は短花柱花の雌しべに、短花柱花の花粉は長花柱花の雌しべにつきやすくなります。このようにして、他花受粉(他の花の花粉で受粉すること)の機会が多くなるように工夫しているのでしょう。
 なお、レンギョウは茎の中の髄が空洞(シナレンギョウでは階段状の仕切りあり)、ガク片が長く反り返る(シナレンギョウでは短く花に沿って付く)で区別できます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲長花柱花
▲短花柱花

ヒラタコクヌストモドキ(№109)

 米糠の袋の下に体長2mm程度の甲虫が大量に発生しました。
ヒラタコクヌストモドキです。貯蔵中の穀類に発生するので貯穀害虫と呼ばれ、世界中に分布しています。穀粉(小麦粉など)、穀粒(米など)、乾燥野菜(切干大根など)、加工食品(ビスケットなど)等の大害虫として問題になっています。
 成虫で冬を越しますが、寿命も長く2年ほど生きるものもいるようです。翅はありますが殆ど飛べません。
 非常によく似た害虫にコクヌストモドキがいます。コクヌストモドキは、成虫の触覚先端3節が急に太くなり串団子状になるのと飛ぶことが出来る点で区別されています。
 嫌われ者のヒラタコクヌストモドキも、その幼虫がペットの餌として利用されることもあるようです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ヒラタコクヌストモドキ成虫
▲ヒラタコクヌストモドキ成虫
▲ヒラタコクヌストモドキ幼虫

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