アラカシとシラカシ(№608)

 山中、街路、公園、家庭の庭まで広く見られる樹木の代表にアラカシ、シラカシがあります。照葉樹林帯を形成する常緑広葉樹です。ブナ科コナラ属の高木で樹高は20mぐらいになります。日本では東北地方南部以南に分布します。材は堅く、かつては槍の柄や木刀、農具の柄などに使われました。この2種類はどこにでもある樹木ですが、区別するのはなかなかむつかしいと言われています。今回はこの2種を見分ける方法について解説しましょう。
 果実では殻斗(どんぐりの帽子)が両種とも横縞模様ですがアラカシでは被りが浅く、シラカシではやや深い傾向にあります。確実な区別点はシラカシのドングリ先端(メシベの柱頭部分)は段丘上に盛り上がり、細かい毛があることです。樹全体の外観はアラカシがシラカシに比べて荒々しく、シラカシは優しく見えますがこれは見る人の感性にもよります。一般的には、葉縁の鋸歯(葉の周辺のギザギザ)がアラカシは葉先の1/2~2/3、シラカシは2/3~全体にあり、鋸歯先端はアラカシではとがり、シラカシでは穏やかです。また、葉の幅はアラカシが広く、シラカシが細いのも特徴になります。葉の中肋に沿って縦に割いてみると、アラカシではきれいな階段状に、シラカシではガタガタに割けるのも特徴のようです。
 常緑樹として庭木にする場合、私は全体に優しいシラカシの方が好みですが如何でしょうか。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲アラカシ
▲シラカシ
▲ドングリ 左:アラカシ、右:シラカシ
▲葉 左:アラカシ、右:シラカシ
▲アラカシの葉
▲シラカシの葉

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