ソシンロウバイ(№173)

 1月も下旬になると蝋細工のような黄色い花をつけた低木が見られるようになります。花の中心部まで黄色いのはソシンロウバイ、暗紫色のがロウバイ(写真囲み内)です。花の一番外側は褐色でガクのようですが花弁とはっきり区別できず、まとめて花被と呼ばれます。
 花のない時期でもあり、この花を知っている人は多いのですが、果実、種子は気に止める人も少ないようです。夏には長さ3~4cmのイカのような形をした実(偽果)をつけます。イカの足のように見えるのはおしべの残骸です。秋になり落葉すると偽果は枝にぶら下がった干し柿のように見えます。偽果の中に数個の種子が入っていますが、種子はクロゴキブリの卵鞘(卵を入れた鞘)そっくりです。
 イカに似たり、干し柿に似たり、クロゴキブリの卵鞘に似たりしますが勿論擬態ではありません。他人の空似というのでしょうか。

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▲ソシンロウバイ(円囲内はロウバイ)
▲ソシンロウバイ果実(雄しべの痕跡がイカの脚に見える)
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▲干し柿状の偽果
▲ソシンロウバイの種子(ゴキブリの卵鞘そっくり)


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