リュウノヒゲ(タマリュウ)(№.317)

 季節的に緑が少なくなった庭に濃い緑を提供してくれる地被植物の代表がリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)です。日本を始め東南アジア原産で、学名をOphiopogon japonicusといいますがophio=リュウ(蛇)、pogon=ひげの意味のギリシャ語で日本語を直訳したような学名となっています。
 ユリ科の常緑植物で、年中濃い緑を保っています。草丈10~20cm、7~8月に白い花を咲かせ、冬季にピンポン玉を小さくしたような直径5mm程度のブルーの種子をつけます。花や種子は観賞の対象とはなりませんが、どのような環境にも耐え、丈夫で年中グリーンであるところから庭園の根占や境界などに広く利用されています。芝生感覚で刈り込むこともできます。常緑であるためか花言葉は「変わらぬ想い」となっています。 冬に見られる種子は、種そのものがむき出しになっているもので、ヤブラン(№101)の場合と同じつくりになっていて、雌しべの痕跡が見られません。この種子の皮をむくと白い小さな玉が出てきますが、これはスーパーボールのようにコンクリートの上で跳ね飛ぶため、かつては子供のおもちゃとなりました。 リュウノヒゲの根部は部分的に肥大しており、この部分をバクモンドウといって鎮咳、強壮などの薬効があり漢方の生薬として使われます。主として地下茎を伸ばして増えていきます。園芸品種として、草丈の低いタマリュウや白い斑入りのハクリュウなどがあります。また、葉の黒っぽいコクリュウや葉の大きいオオバジャノヒゲなどもありますが、これらはリュウノヒゲに似た別種です。
(*写真をクリックすると拡大されます)
tamaryuu-5
りゅうのひげ1
▲リュウノヒゲ
▲リュウノヒゲの種子
tamaryuu3
tamaryuu4
▲タマリュウの一部肥大した根部
▲地下茎で増えるタマリュウ
tamaryu1
▲根占に使われたタマリュウ


ページトップへ