ボケ(№569)

 織田信長の家紋は「五つ木瓜」(イツツモッコウ)ですがこの木瓜(もっこう)はボケを意味します。木瓜(もっこう)が(もけ)からボケと変わったようです。
 中国原産のバラ科ボケ属落葉低木で、平安時代に渡来しその後品種改良が進み現在では200品種以上あると言われています。樹高1~2m、直径3~4㎝の花が11~12月(寒咲種)または3~4月(春咲種)に開花します。花の色は紅が基本種ですが赤、白、ピンクなどがあります。秋には縦に溝のある瓜に似た果実をつけますが、熟れても裂けることはありません。この果実は香りは良いのですが生食には向かず、果実酒やシロップなどに利用され、漢方では疲労回復、利尿効果に利用されます。
 枝にはとげがあるため生垣に使われ、強健なことから庭木や盆栽にも使われます。徒長枝が伸びますが、この枝にはほとんど花は付かず、花は比較的短い充実した枝に付きます。梅雨のころ、葉に赤い斑点が出ることがありますが、これはアカホシ病で、冬の間カイヅカイブキで冬を越したものがボケやナシに移り発病したものです。発生がひどいと落葉しやすくなります。
 日本原産でボケ属に属する植物にクサボケがあります。樹高1m未満の小柄な樹木ですが、最近は減少気味であまり目につかなくなってきました。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ボケの花
▲ボケの花
▲徒長枝(花はつかない)の伸びたボケ
▲ボケの果実

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