セイタカアワダチソウ(№490)

 稲刈りが済んだころ、市街地の空き地や耕作放棄された畑が背の高い黄色い花で埋め尽くされます。この背の高い雑草はセイタカアワダチソウ呼ばれる北米原産の帰化植物でキク科、アキノキリンソウ属の植物です。
 明治の末に切り花用として導入されたものが逸出し、空き地に群棲するようになりました。この花はミツバチにとって、秋の貴重な蜜源となるため一時養蜂業者が全国に種子をばらまいたともいわれています。高さ1~3m、茎は途中で分枝せずまっすぐに伸びるためニューハギと呼ばれ、袖垣などの材料にも使われます。種子と地下茎で広がります。根から他の植物の生育を抑える物質を出し他の草の生育を抑えて一面に広がります。このような作用をアレロパシーと言いますが、この物質はセイタカアワダチソウ自身の幼植物にも抑制的に働き、自己の繁殖の妨げになることがあります。
 茎の先端から横枝を水平に多数分枝し、三角錐状に花をつけます。一つの花には多くの舌状花(雌性)と5,6個の筒状花(両性)が見られます。花粉症を起こすと考えられたこともありますが、花粉を出す筒状花は少なく、虫媒花であるため一つの花から出る花粉量も少なく、比較的重いなど花粉が風で飛ばされて花粉症を起こす原因になることは少ないと考えられています。
 植物体にはサポニンが含まれ、ムクロジ、エゴなどと同様に風呂などに入れると泡立ちます。特に開花前の花穂がよいそうです。
 セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシやアワダチソウグンバイムシ、うどんこ病が発生しやすく、アレロパシーによる自己抑制や多量の肥料を消費し数年で土の栄養状態悪化を招くことなどが災いし、いつの間にか群落が消えてしまうようです。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲畦畔に咲くセイタカアワダチソウ
▲セイタカアワダチソウの花
▲三角錐状に花をつける
▲個々の花には多数の舌状花と、数個の筒状花

homeへ


ページトップへ