キジョラン(№410)

 暖地の照葉樹林で時々10mほどもある木がツルに絡まれているのを見ることがあります。
 つる性で、長さ約10cm程度の卵円形をした艶のある葉を対生に付けているのがキジョランです。関東以西の照葉樹林帯に多く、かなりの高さで小さな目立たない花をつけるため、花を見る機会は少ないと思われます。8月頃、葉腋から数本の6~7mmの花梗を出し、その先に淡黄色で直径5mm程度の花を1個つけます。花弁は肉厚で5裂し、内部に副花冠が見られキョウチクトウの花同様複雑な構造をしています。花は比較的小さいのですが、果実は10cm程度もあり、白毛をつけた種子が詰まっています。果実が裂け、中の白毛が外へ出た様子が白髪を振り乱した老婆を連想させるところからキジョラン(鬼女蘭)と呼ばれるようになったようです。
 有毒植物で葉や枝を切ると白い乳液を出します。キジョランはアサギマダラ
の食草としてよく知られていますが、アサギマダラはこの毒を体内に蓄え敵から身を守るといわれています。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲他の木に覆いかぶさったキジョラン
▲キジョランの葉と花
▲キジョランの花
▲キジョランを食べるアサギマダラ幼虫

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