アサギマダラ(№315)

 蝶の中でも長距離移動するものとして比較的多くの人に知られているものの一つにアサギマダラがあります。日本の各地からマークを付けられたアサギマダラが放され、再捕獲された日付や場所が記録され生態や、移動距離などがわかりつつあります。
 この蝶の食草は、ガガイモ科の植物でキジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどで、これらの植物が持つアルカロイドを体内に貯蔵し、体を有毒とすることで天敵から身を守っているようです。そのためか、成虫の翅の模様は非常に目立ち(警戒色)、飛び方もゆったりとふわふわ飛ぶなど目立ちたがり屋のように見えます。幼虫の紋も派手でキジョランの上で摂食しているのが良く目立ちます。蛹(尾端をくっつけた垂蛹)も、金属光沢のある黒紋を持っています。
 この幼虫は最初、キジョランの葉に円形の傷をつけてから葉を食害します。これは、キジョランが持つ有毒物質のアルカロイドの流れを、噛み傷をつけることで遮断してから葉を食べるためでトレンチングと呼ばれる独特の摂食法で
す。
(*写真をクリックすると拡大されます)
あさぎ1
▲アサギマダラ成虫(標本)
▲キジョランを摂食中のアサギマダラ幼虫(トレンチング)
あさぎ3
あさぎ4
▲アサギマダラ幼虫
▲キジョラン


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