クロコノマチョウ(№382)

 ヤブコギをしていると足元から枯葉がヒラリ。なんだろうと追ってみるとまたヒラリ。落ちたところを見ても、枯葉だけ。こんな経験ありませんか。枯葉と全く区別のつかない蝶が近づくと、逃げ、近づくと逃げ、先へ先へと逃げていきます。
 クロコノマチョウと言ってタテハチョウ科ジャノメチョウ亜科のチョウで、前翅長32~45㎜の比較的大型の蝶です。この蝶は静止時、翅を立てて止まります。つまり、止まっているときは翅の裏側しか見られません。翅の裏は枯葉と全く変わらない色、模様をしています。かなり近づいても、蝶を確認するのはむつかしいものです。しかも生息場所は林の中の日陰で活動は早朝と夕方、ますます見つけにくいですね。
 4~11月に現れ、成虫で越冬します。もともと南方の蝶ですが最近徐々に北上しており、関東地方でも見られるようになっています。幼虫はススキ、ジュズダマ、ヨシ、チガヤ、トウモロコシなどのイネ科植物を食べ、成虫は樹液、獣糞、腐熟果実などから吸汁します。擬態、保護色の見本のような蝶です。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲枯葉に紛れた成虫(中央部)
▲成虫接写


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