ウスバカゲロウ(№37)

 倉庫のひさしの下、乾燥した砂地の地面にすり鉢状の穴が見られます。これは、ウスバカゲロウ科の一部の幼虫が作った餌採りのためのわなです。成虫は、小型のトンボのような形をした昆虫です。
 砂で作られたすり鉢に落ち込んだアリなどの小動物は、上に上がろうともがけばもがくほど、足元の砂が崩れ落ちて下の方へ滑り落ちます。また、すり鉢の一番下の砂の中に隠れているウスバカゲロウの幼虫は、その大きなあごで、砂を放り上げ、餌が滑り落ちやすくします。ウスバカゲロウ科の幼虫は、写真のような大きなあごで餌をはさみ、体液を吸い尽くした残骸は、大あごで巣の外へ放り出してしまいます。このような生態からアリジゴクとも呼ばれます。
土の中で繭を作りその中で蛹になります。
 このように、餌採りのわなを仕掛けた後は、餌が落ち込むのをじっと待っています。そのため、時には1ヶ月も餌にありつけないこともあるようで、餌が少ないと幼虫期間は数年になるようです。また、この幼虫は肛門を閉じ、成虫になるまで糞をしない(最近、小便は排出することを小学生が発見しました。)ことや後ろ向きにしか歩けないなど変わった特徴を持っています。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ウスバカゲロウ幼虫(アリジゴク)
▲アリジゴク
▲砂粒で出来たウスバカゲロウの蛹室


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