ヌルデシロアブラムシ(№63)

 ウルシに似た植物にヌルデがあります。ヌルデにヌルデシロアブラムシが寄生すると虫嬰(虫こぶ、ヌルデノミミフシ)が出来ます。中にはアブラムシが住んでいます(写真下)。この虫こぶは、寄生部位と虫嬰の形から、葉にできる袋状のミミフシ(五倍子とも言われます)、小葉片の中央脈が数回分岐するハナフシ、枝の先や葉脈が分厚く膨らむキフシなどに分けられます。
 この虫嬰にはタンニンが多く含まれており胃炎、扁桃腺炎などに効く漢方薬として使われます。その他に染料や皮のなめしなどにも使われます。古くは、既婚女性の鉄漿(おはぐろ:歯を黒く染めた)としても使用されたそうです。
 ヌルデの果実は表面が白っぽく見えますが、これを舐めると少し塩辛く感じます。これは塩類の一つのリンゴ酸カルシウムによるもので、食塩の成分(塩化ナトリウム)とは別のものです。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ヌルデノミミフシ
▲ヌルデシロアブラムシ


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