カナブン(№265)

 このシリーズの№192カナブンでは、カナブンの飛び方について記しました。今回は口の話です。昆虫の口は咬む、吸う、舐めるの3つの方向に発達しました。咬む口を持っているのはカミキリムシ、カマキリ、バッタなどで左右の鎌のような口で噛み切ります。チョウ、セミ、カなどは2本の樋を合わせたような口を使い毛細管現象であがってくる液を吸い取ります。
 カナブン、ハエ、アブなどは蜜や樹液を舐める形の口をしています。つまり、筆の先のようなブラシが左右2本あり、常時は格納されていますが食事時になると蜜や樹液にその筆先を浸し、毛細管現象で毛の間を上がってくる蜜や樹液を吸い取ります。食事の様子を見ているとまるで舌で皿を舐めているような、あるいはワイパーで窓を掃除しているような光景が見られます。
(*画像をクリックすると拡大します)

▲樹液に集まるカナブン
▲カナブンのなめる口

ゴーヤ(№266)

 ベランダからの西日防止にプランターを並べゴーヤを植えました。日よけと実益を兼ねてですが、グングン成長し立派に日よけの役を果たしています。また、多数の花が咲いているのですが、なかなか実がなりません。そこで、人工授粉を試みました。
 ゴーヤは、雌雄同株、雌雄異花の植物です。つまり同じ株に、雌花と雄花がつく植物で、雄花の花粉を昆虫(ミツバチが多い)が雌花に運び受粉させなければ果実が大きくなりません。そこで、ミツバチに代わって雄花を取りその花粉を雌花に付けてやりました。
 雄花は花の中央に葯(花粉袋)があって、黄色い花粉を出しています(写真左下)し、雌花は花の下に小さなゴーヤの果実(幼果)がくっついている(写真右上)のですぐに区別できます。
 ところで、多数の花の中から右下の写真の果実を見つけました。正面から見ると間違いなく雄花で花粉も出しています。しかし横から見ると、花の下に小さな幼果が見られ雌花ですが柱頭(雌しべの先端)はないようです。雌雄両性を持った花のようですが、開花後数日で花弁、幼果ともに黄色くなり落ちてしまいました。
(*画像をクリックすると拡大します)
▲ゴーヤによるグリーンカーテン
▲ゴーヤの雌花
▲ゴーヤの雄花
▲幼果とおしべ(葯)のついたゴーヤの花

コシアキトンボ(№267)

 夏になれば池沼の堤防際やすぐそばの空き地でよく見られるトンボにコシアキトンボがいます。全長4cm~4.5cmの黒いトンボで、腰の部分が白く抜けたトンボです。オスもメスも羽化(成虫になること)直後は、腰の部分がうす黄色ですが、やがてオスだけは白く抜けたようになります。翅は透明で後翅基部と前翅先端は濃褐色で特徴のはっきりしたトンボです。北海道を除き全国で見られ、汚れた水でも繁殖できる普通の種類ですが、見ている限りなかなかとまりません。仕方なく、飛んでいるのを写真に収めました。この飛翔は自分の縄張りをパトロールしているもので、オスが近づくとすぐにスクランブルをかけます。
 写真に撮って気がついたのですが、このトンボ、鼻の先も白いのですね。
(*画像をクリックすると拡大します)
▲腰と鼻が白い
▲めったにとまりません
▲後翅基部が褐色

ページトップへ