ミツボシキリガ(№248)

 3月に入り啓蟄となった途端に昆虫の動きが活発になってきました。写真のような蛾も飛び出してきました。
 この蛾はミツボシキリガといい、ヤガ科のガの一種です。蛾屋さんには珍重される蛾のひとつで、愛称「ミッキー」で呼ばれています。ミッキーと呼ばれる所以は、前翅についている白い紋。この紋を拡大すると右下の写真のように見えます。さてこれがミッキーマウスに見えるでしょうか。
 この蛾の面白いところは外にもあります。頭の上の毛が立ち上がり、モヒカン刈りのように見えます。
晩秋に成虫になり、成虫で越冬します。食草はエノキが知られていますが、それほど多いガではなく宮城県、群馬県では準絶滅危惧種に指定されているそうです。
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▲ミツボシキリガ成虫
▲ミッキーマウスの紋
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▲モヒカン刈りの頭

メラノキシロンアカシア(№249)

 大阪市内の緑地で見慣れない高木を見つけました。ヤナギのような葉を持っていますが、良く見ると中にはこの葉の先にネムノキと同じような小葉を持った複葉が出ているものが見つかります。実に不思議な形です。本当の葉はネムノキのような葉で、ヤナギの様な葉は葉柄です。
 この木はメラノキシロンアカシヤといって学名はAcasia melanoxylonでマメ科アカシヤ属オーストリア原産の高木です。ニセアカシヤ同様、生育旺盛で比較的低温にも強く岡山では山火事の後、根生芽で復活した様子が記録されています。材は良質で、黒褐色のためブラックウッドと呼ばれ建築材に使われます。
 ニセアカシアが治山回復に利用され、逸出してところかまわずはびこって問題になっている事例を考えるとメラノキシロンアカシアの植栽についても慎重さが必要かもしれません。
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◀メラノキシロンアカシア(平たい葉は葉柄、細かい葉が本当の葉)

ワイヤープランツ(№247)

 観葉植物の仲間に、ワイヤープランツと呼ばれるものがあります。褐色の細い針金に似た茎に7,8mmの小さな葉をつけた植物です。グランドカバープランツとして、また寄植えやハンギングの根占用に重宝されますが、あくまでも観葉植物として利用されています。
 この植物はタデ科でニュージーランド原産ですが、比較的寒さに強く、0℃以上であれば越冬できます。ところで、タデ科である以上花が咲きますが、この花は晩夏から秋にかけて咲く2~3mm程度の
白い花弁の花です。果実は、グミキャンディーのように透きとおった実で、その中に黒い種子が入っています。全く目立たず、ひっそりと咲いていますが、じっくり見ると実にかわいい花ではありませんか。
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▲ワイヤープランツン
▲ワイヤープランツの花
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▲ワイヤープランツの果実